元プロ野球選手、森本稀哲(ひちょり)さんが自らの半生を語った初の著書。現役時代はスキンヘッドをトレードマークに、グラウンド内外での派手なパフォーマンスで知られ「記録より記憶に残る選手」の印象が強い森本さんだが、かつては「人目を怖がるふさぎこみがちな子ども」だったと告白している。成長とともに体得した「どんなにつらくてもポジティブになれる方法」を、本書では記録に残した。
引退後も名刺代わりになっている光り輝く頭部は実は、小学校1年生のころに突然発症した病気が原因で毛が抜けてしまったことを明かしている。心ない言葉でからかわれ傷つくこともしばしば。ヘディングが苦痛だったサッカーには積極的になれなかったが、ずっと帽子をかぶっていられる野球に打ち込むようになった。
野球をやっている間は頭を隠せるうえ、チームメートらもみんなおなじように帽子をかぶっているので不自然さはなく、病気を気にしなくなったという。森本さんはこのあとしばらく野球がライフワークになるが、何かに悩んだときは「気にしない」という答えにたどりつく。
帝京高校野球部で主将だった1998年、全国高校野球選手権大会に出場。ドラフト4位で99年、日本ハムファイターズ(現北海道日本ハムファイターズ)に入団し、2006年から3年連続ゴールデングラブ賞を受賞、07年にはベストナインに選ばれた。ファイターズ時代には、力強いプレーぶりに加え、子どものころは隠そうとばかりしていたスキンヘッドを使ったパフォーマンスで、全国区の人気者になった。
11年に横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)に移籍、さらに14年に埼玉西武ライオンズへテスト入団し、15年9月に現役を引退した。
本書では現役時代の裏話も豊富に盛り込まれているが、森本さんが託したメッセージは「前を向いてがんばっていれば、必ずいいことがあります」ということ。インタビューでは「うまくいっていない時の過ごし方こそ大事。悩んでいる人、壁にぶつかった後で一歩目を踏み出そうとしている人に、読んでほしい」と述べている。
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