レンタルショップのイメージが強いTSUTAYAだが、いまや全国で「TSUTAYA BOOKS」(蔦屋書店)800店舗以上を展開する書店業界のビッグチェーンでもある。しかも、ただ本を売るだけではない。すでに絶版となった本をTSUTAYA書店員が選定し復刊するプロジェクト、「復刊プロデュース文庫」にも力を入れている。
2016年2月にスタートした同プロジェクトで、「復刊第1弾」に選ばれたのが、『九月の恋と出会うまで』(松尾由美著、双葉社)だ。再販後わずか数か月で6万部を売り上げたという。
主人公の北村詩織はもうすぐ28歳。東京郊外の旅行代理店に勤めている。ある日、アパートから1LDKのマンションに引っ越すと、自室の壁の穴から謎の声がを聞こえてきた。その人物は、同じマンションに住む男性だという・・・。時空を超えた奇跡のラブストーリーというキャッチフレーズ。「過去を変えてしまった一途な恋。思わず涙が溢れます」など、書店員から強い支持があった。
作者の松尾由美さんはSF、ミステリー作家として長いキャリアを持つ。本書は2007年、新潮社から単行本として発売され、その後、新潮文庫にも収められていた。「復刊第1弾」に選ばれ、短期間で売り上げを伸ばした理由について、TSUTAYAは、「(自社の)5600万人のデータベースを活用し、売場展開を実施したことで、既存の読者だけでなく、新たな読者層を開拓出来たことが考えられます」と分析している。
出版不況と言われ、書店業界は苦闘しているが、やり方次第でまだ販促の余地があることを教えてくれる。
題名にあるとおり、この作品は九月に係わる物語。ぜひ、今月(九月)にお勧めしたい。
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