雨の日や曇りの日は体調が悪くなるという人は少なくない。「天気病」とか「気象病」と呼ばれる。とくに女性に多いとされる。本書はそうした症状に悩む女性を、新たに「低気圧女子」と名付けて対処法などを示した。
類書はいくつかあるが、本書は、気象予報士の小越久美さんが、自律神経研究者として高名な順天堂大医学部の小林弘幸教授の監修のもとで書いている。いわばその道のプロ二人による労作だ。
「生気象学」という学問分野がある。天候や気象条件の変化による頭痛、めまい、肩こり、関節病、気分の落ち込みなどについて研究している。その先進国のドイツでは、ウエブサイトで「今日の気象病予報」まで発信されているそうだ。
著者の小越さんは筑波大学で気候学・気象学を学び、日本テレビなどで気象予報士を務めてきた。そのかたわら「生気象学」も学び、「健康気象アドバイザー」「データ解析士」の資格をとった。
実は小越さん自身が、「低気圧女子」だという。小学生のころに痛めた脚が生理前後の雨の日に痛む。といっても、すべての雨の日に痛むわけではない。ある条件と苦手とする気象条件が重なったときに体のウィークポイントが痛み出す。ある条件というのが、自律神経の乱れだ。
小林教授によると、女性は月経によってホルモンバランスが大きく変わるため、男性よりも自律神経が乱れやすく、気象病を発症しやすい。
本書は「お天気と自律神経の関係」に始まり、「低気圧女子のためのお天気講座」「ホルモンバランスとお天気の関係」「低気圧女子のための症状別処方せん」などについてわかりやすく解説されている。「低気圧女子のチェックリスト」も付いているので、トライしてみよう。
最終章では「脱☆低気圧女子プラン」についてもかなりのページが割かれ、自助努力で慢性的悩みから卒業できる具体的な方策が丁寧に記されている。文章はこなれていてわかりやすい。これまで一人で悩んでいたり、病院に行っても相手にされなかったり人には、とても役立ちそうな本だ。
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