カクテルは、ある種類の酒をベースに別の種類の酒やジュースなどを合わせてつくるアルコール飲料。19世紀初頭の米国で、氷が普及や炭酸水の登場を背景に誕生したという。さまざまな酒の合わせて作れることから世界中に広まった。本書では冒頭で「カクテルは私達人類がいかに文化的かを示すバロメーター」と位置付け、有名カクテルの誕生秘話や進化の歴史を紹介する。著者は栄養学の専門誌で記事を執筆する一方、大学の生涯学習プログラムで食物史の講座を持つ。
日本で最も知られているカクテルといえば、さまざまな缶入り製品が出回っているハイボールだろう。名称の由来はいくつかあるようだが、本書は"19世紀の鉄道"説。「ボール信号」から付けられたというもの。詳しくは本書で。なお、ハイボール製品で知られる飲料会社のウェブサイトでは、ゴルフ場由来説を有力視している。
また、カクテルの原形となった「パンチ」との関係や、カクテル誕生の謎、ファッションその他への影響や最新事情にも言及。評者のサントリーススピリッツ名誉チーフブレンダ―、輿水精一さんは「カクテルを育んだ酒場の発展の歴史や世相・生活文化の変遷を知るうちにカクテルが生活に深く根差したものであることや、冒頭の一文の意味を実感する」と述べている。
本書は、原書房の「『食』の図書館」シリーズの一つ。
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