次号から隔月刊になる「SAPIO」が、「平成という時代を考えるための必読書27冊」というテーマでブックガイド特集を組んだ。論壇のジャンルを担当した先崎彰容氏(日本大学教授・思想史研究家)が、近代を考える上での1冊として挙げたのが本書だ。
著者の亀山郁夫氏(東京外国語大学長)は、『カラマーゾフの兄弟』の新訳でも話題になったロシア文学研究の第一人者。ドストエフスキーについて多くの研究書や評論がある中で、「グローバル化の混沌が、わたしたちの心の呪縛を解き、凍りついた舌を溶かそうとしている」と、執筆の動機を記している。
本書では、マゾヒズム、ロシア正教会から離反した異端派などに着目、『罪と罰』など五大長編の分析を通して、ドストエフスキー作品の謎を解き明かしている。
先崎氏は「現代と共通する大衆社会の不安が読み取れる。本書は、作品を理解するための時代背景をわかりやすく解説する格好の入門書」と勧めている。
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