ホテル・リッツは、パリの中心部にあり、壮麗さを誇る宮殿ホテル。19世紀末、スイス出身の実業家、セザール・リッツと、フランス料理創始者の技法を受け継いだとされるシェフ、オーギュスト・エスコフィエが協力して設立した。
本書はこのホテルを創業時から年代記風に追い、まさに「歴史の証人」であることを示したノンフィクション。ホテルが"証言"する「歴史」に紙数が最も割かれているのは第二次大戦さなかのことだ。
パリはドイツに占領され、リッツはナチスの拠点に。だが、ホテルの半分は一般の利用に開放されており、枢軸国の将校らのほか、パリ市民や米国人らも自由に出入りし、社交の場である以上にスパイ活動の場にもなっていたのだ。
目次に続く、主要登場人物には約50人がリストされ、なかには、シャルル・ド・ゴール、ロバート・キャパ、ジャン=ポール・サルトル、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、アーネスト・ヘミングウェイ、マレーネ・ディートリヒ、イングリッド・バーグマンの名前が並ぶ。
評論家の川本三郎さんは「ココ・シャネルや大スターのアルレッテイはドイツの高官と付き合う。それに対し支配人とその妻はレジスタンスを助ける。豪華ホテルが歴史の舞台になる」として、本書を「夏休みお薦めガイド」としてベスト5冊の1冊に挙げている。
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