通称「朝ドラ」と呼ばれるNHK連続テレビ小説で、2017年4月から放送されている「ひよっこ」は、スタート時からしばらく「20%」を下回る視聴率が続き、心配でたまらないといった感じで「ニュース」になっていた。歴代作品と比べて数字的にものすごく劣るというわけではないのに。
低調な時期もあった「朝ドラ」だが、近年はすっかり定着。評者の上智大学教授、碓井広義さんは「朝ドラが女性だけのものから、まさに『みんなの朝ドラ』となっていくプロセスを明かしながら、その魅力を解読したのが本書」とする。
朝ドラのスタートは1961年。翌年の第2作から放送時間が8時15分からの15分枠となり、以降ほぼ半世紀にわたり固定された。この間には、60%を超える視聴率をたたきだした「おしん」(1983年)のような作品もあったが、2000年代に入ってから低調化。10年4月から始まった、漫画家、水木しげるさん夫妻を描いた「ゲゲゲの女房」から放送時間を15分繰り上げ8時スタートにしたところ復調傾向に入り、以降、好調が続いている。
本書は「序章 2010年代、朝ドラの何が変わったのか―『ゲゲゲの女房』ほか」から書き起こし、好調をリレーした作品の役割を解説する。碓井さんが最も評価しているのは、傑作と位置づける「あまちゃん」(13年)。本書では設定や配役、脚本などについて言及しつつ、「丁寧な分析が為される」と満足したようだ。
朝ドラの「好調リレー」の一員ではないが、テレビ史上でも際立つ「おしん」については「みんなの朝ドラ」への役割を評価してか、1章を充てて分析している。
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