テレビ朝日系で4月(2017年)から昼の連続ドラマとして放送され、予想外に視聴率を集めている「やすらぎの郷」の原作脚本集である。最初はフジテレビに持ち込まれたらしいが、フジが断り、テレビ朝日が引き取り、成功したとテレビ業界では話題になった。
引退した俳優たちが暮らす高級老人ホームが舞台である。映画やテレビへの批判がちらちらと出てはくるが、評者の小林竜雄氏(脚本家)によると、「〈老人たちのラブ・コメディ〉に仕立てあげていた」ということだ。
ドラマでは石坂浩二演じる主人公が、現実でも元妻だった浅丘ルリ子らを相手にドタバタする。予めは役者を決めて脚本を作った、完全な宛書(当て書き)らしいが、高齢層には大うけで、NHKの朝ドラとその再放送の視聴率が下がったとも言われている。
今後、東日本大震災への言及も出てくるということだ。チャレンジングな企画を通した倉本はまだまだ現役バリバリである(BOOKウォッチ編集部JW)