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下北沢の小劇場周辺の青春物語

書評掲載元:日本経済新聞 2017年6月24日書評

劇場

 ご存知、お笑い芸人にして芥川賞作家・又吉直樹の第2作である。NHKは本書の発行にかんしてはプロモーターになったと思えるほど熱心だった。発売前に、受賞作『火花』のテレビドラマ版を10回放送、さらに本作執筆に苦しむ又吉に密着取材して、脱稿までをドキュメント番組化して放送したのだ。  「恋愛」がテーマということだった。しかも『火花』よりも本作を先に書きはじめ、中断していたことが明かされた。  評者の大竹昭子氏は「『恋愛小説』という帯文は誤りではないが、気持ちの行き違いや性格が合う合わないといった話ではない」と書いている。前作よりも読む人を選ぶだろうという見方も示している。 演劇の脚本家である主人公と彼を無条件に肯定する女性の物語である。前作とは立場が変わり、主人公の方がいつも偉そうである。結局のところ、下北沢の小劇場や居酒屋あたりで、よくありがちな話のように思えたが・・・。(BOOKウォッチ編集部JW)
  • 書名 劇場
  • 監修・編集・著者名又吉直樹 著
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2017年5月15日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六版 208ページ
  • ISBN9784121022820
 

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