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ニューズウィークでしか読めない、異論・新論・正論。

 とおりいっぺんの視点から論じられる問題は多い。一度流布した考え方は、当たり前のようにそのまま固定化してしまうのが常だ。そこへ一石を投じるのが、ニューズウィーク日本版の使命。視点をくるくると動かすことで、新たな視野が開けてくる。

たとえば、安倍首相は日本の右傾化を象徴しているという見方。他国の基準で見れば、安倍首相はむしろ穏健派に属する。決して右傾化を体現する政治家ではない。カナダに匹敵するほど温和な全体戦略を描き、中国の物騒な動きに対して平和と国際法の遵守を呼び掛けている。ダートマス大准教授J・リンドはそう述べる。

チャプター1では上記のような「誤解される日本」をテーマにしている。いっぽうチャプター2では「日本を報じる視点」と題し震災、スキャンダル、ビジネス風土などをとり上げている。東日本大震災直後に日本へエールを送った元英エコノミスト編集長ビル・エモット氏の寄稿も掲載。日本版編集長による「金と政治」の問題は出色。国民が清廉な政治家を求めるあまり、日本の政界はスキャンダルが頻発し、有能な政治家が失脚しがちであるとし、その結果政治の停滞を招いていると分析する。

チャプター3では、「世界に誇る日本の底力」として、日本の革新的なアイデアや、治安のよさを底辺で支えている共同体パワーなど、枯れることのない日本の力強い根っこについてまとめている。「革新的なアイデア」で紹介されるハイテクトイレはもうおなじみ。加えて温室効果ガス観測技術衛星、ストリートファッション、各国へ輸出されるテレビ番組など意外に知られていないクールジャパンの一側面を紹介している。

※本書は、ニューズウィーク日本版に掲載された記事を抜粋して、補筆、加筆したものである。
 
 
 
 

書名:なぜ日本は誤解されるのか
編者:ニューズウィーク日本版編集部
発売日:2014/3/14
定価:本体1000円(税別)

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