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オランダ、デルフト工科大学でも講義。ピープルデザインとは何か。

 いま世界から注目を浴びているピープルデザインとは何でしょうか。一言でいえば、福祉の新しい形です。福祉と聞いただけで重苦しい空気が漂ってきますが、そうしたイメージを払拭し、だれもが取り組めるコンセプトとして誕生しました。ピープルデザインは、人々の意識のバリアを取り払うことを念頭におきます。バリアが取り払われれば、いろいろな人が混ざり合い、お互いにその多様性を認め合う社会が生まれることでしょう。では、具体的にピープルデザインの取り組みをみていきましょう。

たとえば、スポーツメーカーとコラボして、障害者でもはけるカッコいい靴をつくりました。今まで障害者向けの靴は、ハンデを考慮した特殊なもので少量生産でしたから、非常に高価にならざるをえませんでした。当然デザインは一顧だにされません。それならと一念発起し機能性も、デザイン性も両立した障害者もはける一般向け商品を開発したわけです。この商品はヒットし、障害者の顔をほころばせました。

聴覚障害者のための体感音響システムや、視覚障害者のための音声ガイダンスを導入した、映画上映会も行っています。健常者に混じって、映画を楽しめる、街に出てくる習慣ができたと好評を博しています。これらはほんの一例です。工夫しだいで活動の幅はいかようにも広がります。

こうしたムーブメントは、ビジネスやNPOの活動を超えて、象牙の塔にも波及しました。オランダのデルフト工科大学2012年下期MBAコースで、著者がピープルデザインの授業を行いました。オランダ、フランス、イタリア、中国、アメリカなど各国の留学生が熱心に聴講し、その反響は大きく、現在デンマーク、フィンランド、ニュージーランドの大学から講義のオファーが来ています。日本では慶応義塾大学と滋賀大学で講義が行われました。

21世紀社会の新たなコンセプト、ピープルデザイン。あなた自身がそれを知り、学び、参加し、実践していくことで、だれもが住みよい社会をつくっていかなければなりません。

 
 
 
 

書名:意識をデザインする仕事 「福祉」の常識を覆すピープルデザインが目指すもの
著者:須藤シンジ
発売日:2014/3/20
定価:本体1600円(税別)

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