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インドビジネスを成功に導く、実践マーケティング戦略!

 インド北西部ラジャスタン州ニムラナ工業団地。その一角にある日系企業の工場脇で談笑していると、門前になぜか羊が集まり始め、気づいたら100匹近くになっていた。正門前で門番たちが羊を追っ払うため必死に体を張っている。笑ってしまうような本当のエピソードが冒頭で紹介されているのは、須貝信一氏が上梓した『インドでつくる!売る!』だ。

アジア市場が拡大するなかで、2000年代後半以降から次なるターゲットとして脚光を浴びているインド。ホンダ、ヤマハ発動機、エプソン、カシオ、キヤノンなど、ボリュームゾーンの大きさと将来性を鑑みて、現地進出する企業が増えている。巨大な市場を持つインド進出のために数多くある課題をいかに解消していくのか。勝負のカギを握るのがローカライズ戦略だ。

「インドでは最大の競合はヒトです」――ある重機メーカーの重役の言葉である。ビルや工場の建設現場では2014年現在でも、人がレンガを頭の上に載せて運んでいる。大手企業の生産ラインでも同様だ。通常なら機械設備を入れる工程でも、人件費が導入・管理維持費より安いため重機を入れる方がハイコストになってしまうのだ。日本製最新設備と人力工程が隣り合わせになっているのは、世界でも珍しい光景である。

これらは生産現場だけに限った話ではない。インド社会全体に「多様性極まる複雑さ」があり、市場には「低価格」というシンプルで強いニーズが存在する。日系を含む外資系の先行企業がコスト低減のためにバリューチェーン上の現地化を進めて競争優位を築いているため、後続の企業は先行者の価値と品質バランスを意識しつつ「資金」「時間」「忍耐」を投じてさらに徹底した戦略を実行する必要がある。もはや、現地化は差別化要因や重要成功要因などではなく、必須の戦略となりつつあるのだ。

本書ではインド進出にあたって、実行ベースでの戦略を解説している。インドでものを売るにはどうすればいいのか。プライス、チャネル、競争、ブランド、コスト、広告、イノベーション……インドビジネスを成功に導く戦略と実行を満載した、これまでにない1冊だ。経営者から新入社員まで、「インドの商魂」をつかみたいすべての人にとって貴重なヒントがつまっている。

『インドでつくる!売る! 先行企業に学ぶ開発・生産・マーケティングの現地化戦略 』
著者:須貝信一
発行:実業之日本社
http://www.amazon.co.jp/dp/4408110418/

『インドでつくる!売る!』
著者:須貝信一
発行:実業之日本社

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