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若き哲学者が第一線のエコノミストらと劇薬の処方箋=アベノミクスを問う話題作『金融緩和の罠』!

  アベノミクスをテーマにした書籍が続々、刊行されるなか、4月17日に発売になったばかりの新書『金融緩和の罠』(集英社刊)が話題を呼んでいる。Amazon.co.jp書籍ランキング経済学・経済事情門で1位を獲得(4月18日)。すでに発行部数は累計3万5000部に達している。

 本書がユニークなのは、第一線の経済の専門家3人に、若き哲学者がインタビューを重ねたというスタイルだ。テクニカルな理論の応酬に終始しがちな「リフレ/反リフレ論争」であるが、この新書はとても分かりやすく、具体的かつ丁寧に金融緩和の副作用が検証されている。

 しかもその3人のエコノミストのラインナップが豪華である。
 まず、日本全国 をみずからまわり、日本経済の現状を具体的に知悉し、マクロ経済学がおちいりがちな抽象性をつねに批判している藻谷浩介氏。ベストセラー『デフレの正体』の著者である。
  つぎに、金融緩和で潤うはずの金融業界の最前線にいながら金融緩和に異を唱えている河野龍太郎氏。経済紙の「人気アナリスト」調査の首位の座にほぼ毎年その名前があるなど、市場関係者からの信頼が厚い。
  そして、ケインズ理論の瑕疵をのりこえる独自の不況理論を打ちたて、世界的にも知名度の高い経済学者・小野善康氏。大阪大学社会経済研究所教授である。
  
 この3人の専門家と哲学者が、市場のなかだけで経済を論じるのではなく、日本経済が現在、歴史的にどのような局面に差し掛かっているのかという大きな問題まで含めて議論を展開している。アベノミクスの真価を問う、決定版の一冊といえるだろう。
  
http://shinsho.shueisha.co.jp/wana/

書名:金融緩和の罠
著者:藻谷浩介、河野龍太郎、小野善康、萱野稔人
発売日:2013年4月17日
定価:798円(税込)

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