『家メシ道場~1食100円でかんたんごはん』で大ヒットを飛ばした給食系男子の第2弾。うまい「家呑み」のコツは、「手数を減らす」、「味は決めすぎない」、「味のアウトソーシング」(すでに味が決まっている素材を上手に使う)、「道具を限定する」、「旬の素材をいかす」、「『サッと』は楽しい気づかい」の6箇条――。
全125レシピ。『家メシ~』ではほぼ3ステップだったが、今回はさらに押さえ、料理の工程は「ほぼ2ステップ」というお手軽具合だ。章立ては以下5章。
■第一章 1人でササッと
■第二章 2人で気軽に
■第三章 3人以上でワイワイ
■第四章 市販のお総菜&定番食材の使い回し
■第五章 3ステップで〆の一品
シンプルすぎるほどシンプルなステップだけに、その手順は考え抜かれている。例えば豆腐にゴマ油とネギ、削り節をかけた、“一見よくあるレシピ”のように見える「塩ゴマ冷や奴」の第一ステップは、「最初にゴマ油をかけておく」。ネギや削り節の上からではなく、最初のステップでゴマ油をかけておくことで風味が増すというのだ。
また、生の小松菜をいきなり冷凍してしまい、流水で解凍しておひたしにする「小松菜のフローズンおひたし」、調味料を揉み込んでおいた鶏ムネ肉を湯に入れて放置しておけばできあがる「ジューシーゆで鶏」など、目からうろこの「冷凍するだけ」「放置するだけ」レシピも満載。市販の総菜や冷凍食品のアレンジレシピもあるが、「残ったときの保存方法」までキチンと指南してくれる。
巻末の索引コーナーからは、「ビールによく合う」「ワインによく合う」「焼酎によく合う」「日本酒によく合う」とお酒の種類別にレシピが探せるほか、「混ぜる・あえる」「炒める」「ゆでる」「蒸す」といった調理法別索引があり、「焼く」にいたってはフライパン/魚焼きグリル/オーブントースター別と、なかなかの親切設計。その他材料別索引では「缶詰」「冷凍食品」「市販のお惣菜」を利用したレシピの一覧も。
嬉しいのは、新書サイズで紙もしっかりしているため、片手で見ながら調味料・ステップをいちどに頭にいれて調理できること。「えーっと、次は…」と頻繁にステップを確認したり、あまりの煩雑さに「アッ、お酒入れ忘れちゃった!」ということがない。
料理の出来上がり写真とともに「壱」「弐」というシンプルなステップ、そしてコツなどが記された「メモ」という構成。価格は1000円(消費税別)。
【給食系男子】
2011年に会社員、マンガ家、編集者、プランナーなどの調理道楽が、業種の垣根を越えて集結した男性料理人ユニット。得意料理やポリシーがそれぞれあるなか、共通する嗜好、「食べて作って振る舞う」を合い言葉に活動する。現在の構成員数は14名。
書名:家呑み道場
著者:給食系男子
発売日:2012年10月15日
定価:1050円(税込)