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勝間和代は優秀な社員になり得るか? 1000人以上の経営者を取材してきた著者が考える、ホンモノの一流の人とは

 「話が圧倒的に面白いのは、やはり起業家だ」……日本実業出版社から発売された単行本『一流の人の考え方』の冒頭で、著者の山口雅之氏はこのように述べています。
 山口氏は雑誌や書籍の取材などを通じて、これまでに1000人以上の経営者にインタビューしてきた人物。時には大きな失敗をしながらも、道なき道を切り開き、成功を収めた人たちの話が面白くないはずはない、というのが山口氏の主張です。

◎学ぶべき点を客観的かつ具体的に解説
 本書で取り上げられている人物は、ライブドア元社長の堀江貴文氏、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの元社長である吉越浩一郎氏といった広く知られる人物のほか、“日本一の町工場”と著者が呼ぶエーワン精密の創業者梅原勝彦氏、総合格闘技の試合に出場しながら弁護士としても活躍している堀鉄平氏など、多岐に渡ります。
 この人たちのどこがすごいのか、またどのような点を私たちが学ぶべきかについて、詳しく描写しています。たとえば大前研一氏からは、「カバーしている範囲の広さと、知的資産の量」「引っ掛かってきたものは徹底的に調べ、自分の足で確認し、さらにそこに課題を見つけ、自分なりの解決法を考えるという姿勢」などについては、ぜひ盗んで欲しいと述べています。
 ライターとして数多くの人物に接してきた著者だからこそ、その記述は客観的かつ具体的。多くの人が納得しながら読み進めることができるでしょう。

◎どうせ盗むなら、ホンモノから盗め
 その一方で山口氏は、数多くのビジネス書を著し、一世を風靡した勝間和代氏に対しては、「実際の仕事の現場では果たして優秀な社員として活躍できるのか?」と疑問を呈しています。
 その理由は、勝間氏が自分で何かを作って売るという実業の経験がほとんどないからです。山口氏が彼女にインタビューした際も「コンサルタントとしては優秀かもしれないが、内容が優等生的で、面白みには欠けていた」という印象を持ったようです。
 ビジネス書は読み方が重要。書かれていることをそのまま鵜呑みにするのではなく、「この人はどの分野の第一人者なのか」見極めることが大切だと山口氏は言います。
 だからこそ、「どうせ盗むなら、ホンモノから盗め」というのが山口氏の主張です。本書に出てくる、著者が一流と認めている人物から私たちが学ぶべきところが数多くあります。是非手にとって、彼らの考え方の一端に触れてみてください。

書名:一流の人の考え方
著者:山口雅之
発売日:2012/5/17
定価:1470円

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