「アメリカ菓子」と聞いて、何を思い浮かべるだろう? ドーナツ? チョコチップクッキー? それとも、悪魔的においしいチョコレートケーキ......?
誠文堂新光社の世界の菓子図鑑シリーズ第7弾は「アメリカ菓子」を特集。なんと全土50州の郷土菓子を紹介している。
2023年9月5日『アメリカ菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』(誠文堂新光社)が発売予定だ。
本書では115品のアメリカ菓子のレシピとその物語を掲載。各地域の食材やその時代の人々の影響を受けているお菓子の歴史は、読むだけでも面白い。
アメリカ合衆国を6つの地域に分類し、さらに50の州に分けて紹介していく。
興味深いのは、「エンジェルフードケーキ」だ。油脂がまったく入らない、しっとりとした泡のような純白のケーキで、古くは1839年発行の主婦向け雑誌にレシピが掲載されているという。
卵白をしっかり泡立てて作るため、もちろん電動泡立て器などない時代は難易度が高く、特別なデザートとされていたそうだ。チョコレートケーキを「デビルズフード(悪魔の食べ物)ケーキ」と呼ぶのに対して、滑らかで儚く、純白なこのケーキは、エンジェルフード(天使の食べ物)ケーキと名付けられた。
ほかにも、ミシガン州の「サワーチェリーパイ」やニューヨーク州名物「ニューヨークチーズケーキ」、カリフォルニア州「フォーチュンクッキー」、メイン州のジャガイモが主役のチョコレート菓子「ニーダム」など、定番からまだ知られていないお菓子まで幅広く紹介していく。
お菓子のルーツからアメリカの文化や歴史、時代背景が見えてくる。食欲と知識欲をそそられる一冊。
■原 亜樹子さんプロフィール
はら・あきこ/菓子文化研究家。米国高校へ留学。日米の高校を卒業後、東京外国語大学へ進学し、食をテーマに文化人類学を学ぶ。国家公務員として特許庁で勤めた後、菓子文化研究家へ転身。『アメリカンクッキー』(誠文堂新光社)、『アメリカ郷土菓子』(パルコ出版)、『シートケーキとレイヤーケーキ』(東京書籍)ほか、アメリカの食に関する著書多数。
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