なわとび跳べないわが子は「DCD」　脳機能障害を母親視点でコミックに

2023/8/20

なわとび跳べないぶきっちょくん

　2023年8月18日、オチョのうつつさんの新著『なわとび跳べないぶきっちょくん　ただの運動オンチだと思ったら、DCD（発達性協調運動障害）でした！』（合同出版）が発売された。監修は、小児科医の古荘純一さん。

『なわとび跳べないぶきっちょくん　ただの運動オンチだと思ったら、DCD（発達性協調運動障害）でした！』オチョのうつつ著（合同出版）

　本書は、初めて「DCD（発達性協調運動障害）」を取り上げた子育てコミックエッセイ。協調（運動）をコントロールする脳の運動機能に問題があるDCDの当事者である主人公のウノ君は、体の使い方がとても不器用で、幼児期から公園でうまく遊べなかったり、食べ物をこぼしたりしていた。小学校にあがると、書き取りでノートの枠内から文字がはみ出してしまったり、なわとびが跳べなかったりと、周囲と比べてできないことがさらに増えていく。

「それくらいよくあることでしょ」「今までだって、運動が苦手でぶきっちょな子はクラスにひとりはいた」と、DCDは他の発達障害以上に周囲の大人に見落とされているのが現状。子どもたちや周囲の大人がDCDを知って、子どもが自尊心を失うことなく大人になることができたら、もっと良い社会になるはず。まだあまり知られていないDCDの症状や困りごとを、少しでも多くの人に知ってもらうためにつくられた1冊だ。

『なわとび跳べないぶきっちょくん　ただの運動オンチだと思ったら、DCD（発達性協調運動障害）でした！』オチョのうつつ著（合同出版）

【目次】
⚫ＤＣＤなんて全然わからない　０〜２歳
⚫悪魔と出会う!?
⚫好きを探そう
⚫小学校入学、前途多難
⚫外遊びってしなくちゃいけないの？
⚫限界
⚫診断
⚫孤軍奮闘を覚悟するも
⚫アプローチを変えよう
⚫変化
⚫ノリノリ

オチョのうつつ

■オチョのうつつさんプロフィール
漫画家。息子がDCD（発達性協調運動障害）と診断される。X（旧Twitter）で「息子、極度の運動音痴だと思っていたらDCD（発達性協調運動障害）だと診断された話」を漫画で公開し、当事者を中心に大きな反響をよんだ。ぶんか社にて『しゃんしゃん婆ミツコ御年90歳！』『サレ妻デザイナーの私を見て笑え!!』電子書籍発売中。

古荘純一さん

■古荘純一さんプロフィール
ふるしょう・じゅんいち／青山学院大学教育人間科学部教育学科教授。小児科医、小児精神科医、医学博士。昭和大学医学部卒、同大学院修了。昭和大学医学部小児科学教室講師を経て現職。小児精神医学、小児神経学、てんかん学などが専門。発達障害、トラウマケア、虐待、自己肯定感などの研究を続けながら、教職・保育士などへの講演も。主な著書・監修書に『自己肯定感で子どもが伸びる―12歳までの心と脳の育て方』（ダイヤモンド社）、『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか児童精神科医の現場報告』（光文社新書）、『DCD 発達性協調運動障害不器用すぎる子どもを支えるヒント』（講談社）など。

※画像提供：合同出版

（BOOKウォッチ編集部）