2023年8月、猫が食べると胃腸障害や腸閉塞、中毒を起こしやすい危険な物を解説した実用書『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑 誤食と中毒からあなたの猫を守るために』(ねこねっこ)が増刷され、4刷となった。
初めて猫を飼うと、失敗しがちなのが「誤食・中毒」に関する対策。「誤食」は猫の代表的な手術・入院理由であり、全身麻酔による治療が必要になれば、高額な医療費がかかり、猫が命を落とすこともある。また、猫にとって有害となる成分を含み「中毒」の原因となる物は、とても身近な食品や植物、化学製品などで、犬では大きな問題にならなくても猫では重篤な症状を起こす成分を含む物もあり、初心者には分かりにくい。
本書は、そんな「誤食・中毒」に正しく対策したい飼い主ビギナーのために2020年末に刊行され、「今の日本の猫の暮らし」に沿った誤食・中毒を起こしやすい「食品」・「植物」・「家の中」の物を紹介し、事故の予防・対応を解説したもの。監修は、猫専門医の服部幸先生(東京都江東区「東京猫医療センター」院長)が担当している。発売後すぐに増刷がかかり、今回、4刷となった。
誤食・中毒を予防する最も有効な方法は、飼い主が「どんな物が、なぜ猫にとって危険となるのか?」を正しく知って、猫が勝手に食べないように遠ざけること。本書では、紹介する品目ごとに飼い主さんがとくに警戒したいレベルがわかる目安として「危険度(1~3段階)」を決め、わかりやすく紹介されている。すべて写真付きなので、たとえば名前がよくわからない植物であっても見た目から判断できる。
たとえば、ツツジやスズランといった、人間にとっては綺麗な花も、猫にとっては危険度3となる。ツツジはツツジ科特有の毒成分 「グラヤノトキシン」を含み、不整脈や痙攣、運動失調、抑うつなどを起こす。スズランの毒はさらに強力で、最悪、心不全によって死に至る危険もある。また、毒は水に溶けるので、花瓶に生けた水でさえ口にすると危険だとされる。
コロナ禍では、猫がマスクの紐を食べてしまったり、丸ごと食べて腸閉塞になってしまったりなど、マスクの誤食の報告が相次いでいる。「消毒液を付けた手を猫がなめるので心配」「殺菌効果のあるティーツリーは大丈夫?」など、コロナ禍だからこそ気を付けたい中毒についてもフォローされている。
本書では、猫好きさんに大人気のイラストレーター・霜田有沙さんが初めて書籍の装画を手がけた。扉絵・コラムの挿絵も、すべて霜田さん描き下ろし。愛猫の命を守る実用書を目に付くところに飾っておいて、さっと取り出して活用してほしい。そんな想いからビジュアルにもこだわった1冊だ。
《目次》
序章 猫の誤食と中毒
・猫の誤食・中毒の傾向を知ろう
・口にした?と思ったら、状況別の対応を
・誤食時のおもな診断と治療
1章 猫が食べると危ない食品
2章 猫が食べると危ない植物
3章 猫が食べると危ない家の中の物 〜誤食編
4章 猫が食べると危ない家の中の物 〜中毒編
<Column>
・人が食べるものを与えるなら気をつけたいこと 魚/肉・卵/乳製品/野菜・フルーツ
・猫に「安全な」植物ってあるの?
・家庭用殺虫・防虫剤の注意点
・室内に潜む危険から猫を守ろう
■服部幸さんプロフィール
はっとり・ゆき/東京猫医療センター(東京都江東区)院長。JSFM(ねこ医学会)CFC理事。これまで北里大獣医学部卒。2005年から猫専門病院長を務める。2012年に東京猫医療センターを開院。2013年、国際猫医学会からアジアで2件目となる「キャット・フレンドリー・クリニック」のゴールドレベルに認定される。おもな著書に『猫からのおねがい 猫も人も幸せになれる迎え方&暮らし(監修)』(ねこねっこ)、『猫を極める本』(インターズー)など。
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