こんなポテトサラダ見たことない！　盛りつけは調味料の1つ＜料理がおいしくなる　美しい盛りつけのアイディア（1）＞

2022/12/22

料理がおいしくなる　美しい盛りつけのアイディア

　クリスマスもお正月も手の込んだ料理を作るつもりはないけど、ちょっとした特別感はほしい。いつもの料理を華やかに見せるてっとり早い方法はないものか......。

　そんな声に応えてくれるのが、フードスタイリスト・まちやまちほさんの『料理がおいしくなる　美しい盛りつけのアイディア』（朝日新聞出版）だ。

　本書は「主菜」「副菜」「主食」「カフェ＆レストラン風」「スイーツ」の料理別に、プロの盛りつけの技を紹介した1冊。32の料理を収録し、盛りつけ方とともにレシピも掲載している。

　料理を見たときに、「はっ！」と驚いたり「ほっ！」と安心できたり「パッ！」とテンションが上がったり。まちやまさんは、そんな食べる前の気持ちが「おいしい」の調味料なのでは？　ひいては、盛りつけ自体が調味料なのでは？　と考えている。

　本書から、多くのご家庭で特になじみがありそうな「唐揚げ」「ポテトサラダ」「ミックスサラダ」の盛りつけ方＋αの情報を2回に分けてご紹介。いつもの料理がいっそうおいしくなる「映える盛りつけセオリー」とは？

唐揚げの盛りつけ方

「コロコロとした唐揚げは盛る量や高さの有無でも違った印象になります。食事のシーンに合わせてアレンジしても」

■Basic
・唐揚げは凹凸があってすべりにくく、積み重ねる盛り方が向いている。
・山型に盛って高さを出すと、ボリューム感と迫力が出る。
・最初に土台を作ってから盛るとスムーズ。

Basic：立ち上がりのある皿に積み重ねてボリューム感ときちんと感を両立

■Arrange1
・平盛りはどの角度からもよく見えて、複数人で取り分けるときに向いている。
・皿の黒色が唐揚げを締まって見せる。
・アクセントとなるレモンやバジルはランダムに散らす。

Arrange1：黒い皿でかっこよく見せつつ、レモンやバジルで動きと彩りを

■Arrange2
・フラットな皿に少なめ（全体に広げず上方向）に盛ることで、上品でぜいたくな雰囲気に。
・質感のある正角の和皿を使うと、均等な余白が生まれて整然として見える。

Arrange2：フラットな皿に少量盛ることで高級感を演出できる

ポテトサラダの盛りつけ方

「あまり皿の形も色も素材も選ばないメニューですが料理と近い色は避けて。皿の色で個性を出しましょう。形を変えられる料理なので盛り方でも変化がつきます」

■Basic
・まずは表面の凹凸は気にせずに高さを出しながら盛る。
・最後に箸で表面を整える。空気感を含ませることを意識してほぐすようにする。

Basic：皿の色であたたかみを出しつつ料理の表面にふわふわ感を

■Arrange1
・ラグビーボールのようなクネル型にして、四角い皿に盛ると余白が均一になり、整って見える。
・大きめのスプーン2本で固めるようにすると、簡単にクネル状に成形できる。少しいびつなくらいが、ニュアンスが出て〇。

Arrange1：クネル型にして大理石風の皿に盛ることで、おもてなし向きに

■Arrange2
・セルクル型（ここでは直径9センチ）で抜いて成形すると、真新しい印象に。
・バゲットは角度をつけて斜めに切ると、丸形のポテトサラダとの対比になって動きが生まれる。

Arrange2：セルクルで成形しつつ皿に余白を作って、ぜいたくに

皿で印象は変わる

　どう盛るか、とともに大事なのが、どんな皿に盛るか。

　たとえば、「変形皿」は曲線だとあたたかみ、直線だとシャープさが出る。スペースが生まれやすく、みんなで食べる肉や魚料理、サラダに向いている。「変形鉢皿」は唐揚げやオリーブなど丸い形の食材をのせやすく、高く盛りつけられる。大きければカレーやシチュー、小さければ和え物に。「原色皿」は赤色の皿にトマト系の料理を盛るなど、同系色の料理との相性がいい。

特徴的な皿に対する盛りつけ方や料理との相性を紹介

　次回の「ミックスサラダ」もお楽しみに！

■Contents

盛りつけの基本ルールと考え方
配色について／盛る量について／盛る高さについて
Chapter
01　主菜の盛りつけ方
ハンバーグ／とんかつ／唐揚げ／和風ロールキャベツ／しょうが焼き／サケの南蛮漬け／スペイン風オムレツ／ラタトゥイユ／ビーフシチュー
02　副菜の盛りつけ方
いんげんのごま和え／わかめときゅうりの酢の物／青菜のおひたし／バンバンジー／ポテトサラダ／白身魚のカルパッチョ／ミックスサラダ
03　主食の盛りつけ方
ナポリタン／BLTサンド／ちらし寿司
04　カフェ＆レストラン風の盛りつけ方
エスニック風ワンプレート／洋風ワンプレート／和風ワンプレート／肉料理／魚料理／野菜の前菜風／バーニャカウダ
05　スイーツの盛りつけ方
チーズケーキ／プリン／パンケーキ／シュークリーム／杏仁豆腐／和菓子
Column
01　皿の特徴と盛りつけ方
02　カトラリーの選び方
03　彩り野菜の考え方
04　ソースのあしらい方
05　盛りつけを活かした写真の撮り方

■まちやまちほさんプロフィール

フードコーディネーター。フードスタイリスト。祐成陽子クッキングアートセミナーを卒業後、雑誌、書籍、テレビへレシピの提供、スタイリングなど精力的に活躍中。飲食店のメニュープランニングなども手がける。新たな食との出会いを求めて国内外を問わず巡るバイタリティの持ち主。スイーツから本格フレンチまで、そのオールマイティでセンスを活かしたスタイリングに定評がある。著書に『盛りつけの発想と組み立て　デザインから考えるお皿の中の視覚効果』（誠文堂新光社）など。そのほか、無印良品、日本経済新聞「NIKKEI The STYLE」、成城石井でのスタイリングなどを手がける。

※画像提供：朝日新聞出版

（BOOKウォッチ編集部　Yukako）