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老いては「個」に従え。101歳の現役ピアニスト・マヤコさんの生き方に学ぶ、幸せな年の重ね方

マヤコ一〇一歳 元気な心とからだを保つコツ

   現役日本最高齢ピアニストは、なんと101歳だという。室井摩耶子(マヤコ)さんは、100歳を過ぎても自分らしく心豊かに暮らす。彼女の生き方や考え方は、NHKの『おはよう日本』やテレビ朝日系『徹子の部屋』をはじめ、テレビ番組や新聞など多くのメディアで紹介されている。

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   『マヤコ一〇一歳 元気な心とからだを保つコツ』(小学館)は、そんなマヤコさんの生き方を綴ったエッセイ集だ。7月末に発売されてから人気で、早くも増刷が決まったという。

   「長く生きてきたから偉い、なんてことはない」というマヤコさん。本書では、マヤコ流の健康長寿の秘訣とともに、年齢を重ねても自分らしく豊かに生きる指針が書かれている。

<「なぜ100歳を過ぎても元気なのか」
と、よく尋ねられるようになりました。
きっと「人の目」を気にしないことがいいのね。
ピアノを選んだのもわたし。
結婚せずにひとりでいるのもわたし。
眠くなったら「からだがノーって言ってる」とさっさと寝てしまうのがわたし。
相手にも頼りたくないし、求めない。
食べたいものを食べ、やりたいことをやる。
からだと心の自然に任せた生活で、人の言うことは聞きません(たまに医者の言うことも無視します)。
「老いては『子』に従え」と言いますが、「老いては『個』に従え」ではないかと。>
(本書「はじめに」より)

   どんな生き方も、選ぶのは自分自身だ。人の目を気にすることなく、自分の気持ちに素直に生きることの大切さを教えてくれる。

   他にも本書では、次のような内容が語られている。

100歳になって毎日が発見
10代のころの疑問に、100歳になってから出会う
君子嘘つきに近寄らず
遠くの親戚より近くの他人
「お肌がきれい」と言われることも
長生きのために肉を食べる
昔の和食は濃い味付けだった
ドイツでのロマンス
成長を見せ続けるのがプロ
親友の葬儀に行かなかった理由
歩くことが大好き
今日も鍵盤に手を置く
死ぬ場所は問わない
人生に終わりはない

   年齢を重ねると不安も高まるが、マヤコ流の生き方では加齢も楽しみに思えてくるかもしれない。笑いと共感に満ちた爽快なエッセイ集だ。

   本書の目次は以下の通り。

はじめに
1 老いて幸せ。楽しき日々
2 元気なからだの作り方
3 一〇一歳になってわかったこと
4 生涯現役を貫くために
5 終活はいらない
おわりに

■室井摩耶子(むろい・まやこ)さんプロフィール
大正10年4月18日、東京生まれ。6歳でピアノを始める。東京音楽学校(現・東京藝術大学)を首席で卒業後、同校研究科を修了。昭和20年1月に日本交響楽団(NHK交響楽団の前身)演奏会でソリストとしてデビュー。昭和30年、映画『ここに泉あり』にピアニスト役(実名)で出演。昭和31年にモーツァルト「生誕200年記念祭」に日本代表としてウィーン(オーストリア)へ派遣され、同年、第1回ドイツ政府給費留学生としてベルリン音楽大学(ドイツ)に留学。以後、海外を拠点に13か国でリサイタルを開催、ドイツで「世界150人のピアニスト」に選ばれる。59歳のとき、演奏拠点を日本に移す。CDに『ハイドンは面白い!』など。平成24年、新日鉄音楽賞特別賞を受賞。平成30年度文化庁長官表彰。令和3年、名誉都民に選定される。101歳のいまも活躍する現役の日本最高齢ピアニスト。


※画像提供:小学館


 
  • 書名 マヤコ一〇一歳 元気な心とからだを保つコツ
  • 監修・編集・著者名室井摩耶子 著
  • 出版社名小学館
  • 出版年月日2022年7月28日
  • 定価1320円(税込)
  • 判型・ページ数新書判、192ページ
  • ISBN9784093888684

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