かつてお寺は、お坊さんに身の上を相談したり、気軽におしゃべりをしたりする場だった。そんな相談所としてのお寺をインターネット上に再現したサイト、「hasunoha(ハスノハ)」がある。
「hasunoha」はQ&A形式で、利用者のお悩みに対し、宗派関係なく日本中から集まった約300人のお坊さんたちが回答してくれる。家族のことや恋愛関係、死やお墓についてなど、相談内容はさまざまだ。開設から10年で回答数は8万8000件以上、回答率は99.9%と、ほぼ全ての相談に応じてくれる。
そんな「hasunoha」が、このたびムック本『お坊さんに教わる 悩みを手放して幸せをつかむ生きかた』(宝島社)になった。2022年8月16日発売だ。"いいね"のかわりの「有り難し」が多かった相談・回答から、一部を抜粋して掲載している。
たとえば、本誌ではこんな相談が紹介されている。
Q:つまらない主人にへきえき。このまま過ごしてよいのでしょうか?(50代・女性)
「主人は何事にも創意工夫がなく、向上心もないようで、休みの日は何時間でもテレビを観ています。浪費はせず仕事も真面目なので、その点は感謝していますが、一人娘が独立した後に、この人と二人きりになることを想像すると、嫌で仕方がありません。人生をこのまま過ごしてよいのかと考えてしまいます。」
A:一人になってもあなたは幸せでしょうか(浄光寺 住職 花山雲吉)
一人になったら老後の糧をご自身で探さないといけなくなります。食べるに困らなくても優雅な生活は難しいですね。求めることは与えることです。ご主人にあなたは楽しみや喜びを与えていましたか?また、自己啓発されていましたか? 今の生活のなかであなたの楽しみや喜びを見いだされることが得策と考えますよ。受け取ることが与えることです。
Q:孤独な人生に耐えられません(50代・男性)
「働いてから徐々に友人と疎遠になり、働いてからの友人とは長く続かない......。彼女も27歳から一人もできず、50歳にもなって独身です。どうやって孤独を癒やせばいいのでしょうか?」
A:誰かのために動ける人を目指しましょう(龍興寺 住職 林浩道)
人間同士のご縁は、意識して守ろうとしなければ、時間の経過とともに失われてゆきます。何より大事なことは、あなた自身が日々感謝の気持ちを持って生きることではないかなと思います。「損か得か」とか「見ている人がどう思うか」みたいなことは一切考えないのがコツ。「我を捨てて、誰かのために動ける人」を目指してみましょう。
さらに、こんな投稿にも答えている。お坊さんならではの切り返しがあざやかだ。
Q:SNSで他人のリア充アピールがウザい!(30代・男性)
A:「いいね」ではなく、「お土産よろしく」とか「今度誘ってね」とか積極的に書き込まれてはいかがでしょう。もし、器の大きな方がいて誘ってもらえたら、、、今度はあなたがリア充です。(円東寺 住職 増田俊康)
Q:ぼーずなんかくそくらえ、世の中良いことなんか何もない!(50代・男性)
A:2500年以上前、悟りを開いて仏教の開祖となった人も同じことを思っていました。一緒に仏教やりません?(曹洞宗 副住職 大慈)
あなたのお悩みを解決する糸口も、本誌で見つかるかも。しんどいときは、お坊さんと一緒に一休みしてみては?
目次
第一章:人間関係の悩みから解放されるために
第二章:自分自身の性格や感情のコントロールの仕方
第三章:老いや病、死、将来の不安から自由に
第四章:日常のあれこれや信心について考える
〈「hasunoha」運営者・堀下剛司さんのコメント〉
hasunoha(ハスノハ)は、スマホの中のお寺です。その昔、お寺は地域の人が集まるコミュニティの場所でした。みんなで助け合い、生きていく。悪いことをすればきちんと叱ってくれる和尚さんがいる。そんなコミュニティを現代にもネットを使って実現できたら! そんな思いで立ち上げました。
今回は、hasunohaに寄せられた何万もの相談の中から、多くの人が経験するであろうお悩みをピックアップして読みやすく仕上げました。老若男女問わず、「幸せのありかた」をお坊さんの言葉と一緒に考えるきっかけにしていただければ幸いです。
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