「むく?むかない?」「もぞもぞ触っていたら...」「そもそも包茎って何?」など、子どものおちんちんにまつわるアレコレは、男親でも正解がわからないことも多い。まして、異性のママには謎だらけ。正しい「おちんちん」の情報を子どもに教えるためには、親がまず知ることが大切だ。とはいえ、ママ友やパパ友には聞きにくい話題でもある。
そんな疑問に答えてくれるのが、泌尿器科医であり、自身も男の子の子育て中の岡田 百合香さんの著書、『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社)だ(2022年7月5日発売)。岡田さんは、助産院や子育て支援センターで、乳幼児の保護者を対象に「おちんちん講座」を実施している。
たとえば、「むく? むかない?」問題。女性にとっては「えっと、何をどこまでむけば...?」と、ピンとこないが、「むく」とは包皮を引き下げることを意味する。
新生児は100%、包皮を引き下げても亀頭が全く見えない「真性包茎」という状態だという。それは、包皮の口が狭いうえに、亀頭と包皮がくっついているから。成長するにつれて徐々に亀頭と包皮の癒着がはがれ、包皮を引き下げたときに露出できる部分が増えていく。そして、思春期ごろになると、自然と問題のない状態になるそうだ。
ほかにも、おちんちんの構造や働きから日常のケア、やりがちなNG例、トイレトレーニング法、本当に気をつけなければいけないトラブル例など、知っておきたい情報がわかりやすく紹介されている。
また、パパママが悩むことの一つに、「子どもとの入浴はいつまでOKか?」という問題がある。
岡田さんによると、異性でも同性でも、絶対にやめるべきタイミングがあるという。
<それは、子ども自身が違和感や恥ずかしさ、抵抗感を感じはじめたとき。
このとき、親側が「さみしいよ~」「ませちゃって」などと、引き止めたり冷やかしたりするのは絶対にやめましょう。子どもの変化を見逃さず、気持ちを尊重してください。>
子どもに変化が見られないからといって、ずっと一緒に入り続けてよいわけでもない。基本的には、体の変化が現れる第二次性徴が始まった後は、異性の保護者との入浴は避けるのが適切だ。
本書ではさらに、岡田さんと作家の白岩玄さんとの対談も掲載。男性の生きづらさを描く作家と医療者との対話となっており、こちらも気になる。
また、部屋に「おちんちん」と書かれた本を置くのは恥ずかしいという方に向けて、カバーを外すと雰囲気がガラっと変わるユニークで実用的な仕様だ。
コンテンツは下記の通り。子どもの素朴な疑問にも「恥ずかしいことじゃなくて、大切なこと」としてきちんと教えられるよう、本書で正しい知識をマスターしておきたい。
第1章 おちんちんって何だろう?
・役割はふたつ! おちんちんの構造
・男の子と女の子 違いはおちんちんだけ?
・男性ホルモンと社会が「男の子」をつくっていく
・大人も知らない 包茎のウソとホント
第2章 乳幼児期のおちんちんケア
・男児のお悩み1位! 「皮をむくか、むかないか」
・おむつ替えに「正解」ってある?
・おしっこもおちんちんも汚くなんかない!
・毎日のおふろでどう洗う? 乳幼児期のおちんちんケア
・おちんちんのセルフケア 子どもにどう教える?
・サイズ、向き、形は大丈夫? おちんちんの心配Q&A
第3章 乳幼児期に多い性器トラブル
・知っておけば安心! 性器まわりのトラブル
・おちんちんの病気
・タマタマの病気
スペシャル対談
白岩玄×岡田百合香
エロじゃないおちんちんの話をしよう
第4章 男の子のトイレチャレンジ
・基礎知識編 おしっこが出るしくみ
・準備編 どんなタイミングで始める?
・実践編 子どものサインと準備
・注意点 大人がしがちなNG行動
・トイレチャレンジ トラブルQ&A
第5章 男の子と性のこと
・幸せに生きるために 性教育が必要だ
・これだけは知っておいて! プライベートゾーン
・なかなか口に出しづらい 「おちんちん」の呼び方問題
・ハードルの高さは男児以上 女の子の性器はどう呼ぶ?
・子どもとの入浴 いつ頃までOK?
・コンプレックスと男性社会
・自分のために 大人の今こそ性を学び直す
■岡田 百合香(おかだ ゆりか)さんプロフィール
愛知県在住。1990年岐阜県生まれ。2014年岐阜大学医学部卒業。愛知県内の総合病院泌尿器科に勤務する傍ら、助産院や子育て支援センターで乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や「トイレトレーニング講座」、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。WEBサイト「たまひよ」では「ママ泌尿科医のお母さんのためのおちんちん講座」を連載中。4才男児と0才女児の母。(執筆時)
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