「ELLE JAPON(エル・ジャポン)」(ハースト婦人画報社)2022年7月号に、ウクライナのゼレンスキー大統領夫人オレナ・ゼレンスカ氏のインタビューが掲載されている。
ロシア軍の一番の標的ともいわれ、2人の子どもとともに身を隠しているオレナ氏。危機的状況にありながら、SNSを駆使して人道支援に奔走しているファーストレディは、いまどのような日常を生き、未来をどのようにとらえているのだろうか。
本インタビューは、ポーランド版エルの独占インタビューの日本語訳版である。内容を一部ご紹介しよう。
まずオレナ氏は、現在の日常の様子を問われると、大統領夫人としてメディア対応・人道プロジェクトに全力を注いでいることと、安全上の理由から学校のオンライン授業に参加できない息子のために教師がわりをしていることを教えてくれた。息子に勉強を教える時間が、毎日心を落ち着かせてくれるという。
国際的な支援が十分かどうかという問いに対しては、このような痛切な本音を語った。
今言いたいのは「ウクライナの空を閉じて、子どもたちに爆弾が落ちないようにして!」ということ。ロシアの爆弾やミサイルで失われた子どもたちの手脚は、もう数百本にもなるのです。でも、どの都市や地域も安全ではないので、できることからするしかありません。
ウクライナはいま、重病の子どもたちや孤児を海外に避難させる「命の輸送船団」プロジェクトを進行中だ。このプロジェクトの実現のために、オレナ氏は各国のファーストレディに協力を呼びかけた。さらにオレナ氏は、ウクライナの状況を目にして無力感を抱く人々に対して「自分にできること」からしてほしいと語りかける。
難民のためにサンドイッチを作ることも、アパートの一室を提供することも、あなたの貢献です。小さな一歩から無力感は消えていくのです。
このインタビューはポーランドの読者に向けたものではあるが、遠く離れた日本の地からも、何か少しでも「自分にできること」を考えていきたい。
最も恋しいものは? という問いに「『明日はどうなるんだろう』という疑問のない、シンプルな生活」「家族との夕食」と答え、状況の苦しさを滲ませながらも、オレナ氏は「私たちは笑う。だから諦めない」というウクライナの精神性に確かな希望を見出している。SNSには悲痛な写真に混じって、ウクライナの人々への同情を誘うミームやジョークもたくさんある。元コメディアンのゼレンスキー大統領を筆頭に、ユーモアの力で立ち向かうウクライナの人々。オレナ氏の力強いメッセージを、ぜひ誌面で受け取ってほしい。
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