「礼儀正しい人」が、人に好かれないわけがありません。
そう断言するのは、ブライダルなどの現場で活躍するプロの司会者、鹿島しのぶさんだ。
誰しも人には好かれたいもの。でも、「礼儀正しくあろう」と思い、実践できている人はどれだけいるだろうか? あなたも、自分を認めさせようと横柄な態度をとったり、感情を人にぶつけてしまったりすることはないだろうか。鹿島さんの著書『99%人に好かれる「礼儀正しい人」』(三笠書房)から、鹿島さん流の「礼儀」の保ち方のコツをいくつかご紹介しよう。
感情は、礼儀を吹き飛ばしてしまうもの。ドイツの文豪・ゲーテは、「世間が求めているのは、感情ではなく礼儀である」という言葉を残している。
感情をあらわにする人は、その場では強い影響力をもっているように見えるものの、周りの人を疲れさせ、敬遠されることが多い。誰しも感情的になる場面はあるだろうが、問題なのは、感情をあらわにする人たちの多くが、感情に飲まれていることに無自覚な点だ。
感情に飲まれて非礼・無礼にならない方法として、鹿島さんが提案しているのが「何かイライラしたとき、自分が何にストレスを感じているのか、ちゃんと振り返る習慣を身につける」こと。イライラを感じたら、まず自分に「落ち着いて」と言い聞かせ、イライラの原因を考えてみてほしい。
たとえば、大変な仕事が重なってパニックになっているのかも? と思ったら、一つ一つの仕事を順番に片づけていく。人間関係の問題でいっぱいいっぱいになっているなら、ストレスを感じる人から離れたり、信頼できる人に相談したりするのもいいだろう。冷静に対処し、感情がおさまれば、周囲に対する礼儀や気づかいを取り戻すことができる。
あなたが感情的になる場面は、もしかしたら「無礼な人に出会ったとき」かもしれない。しかし、無礼に対して「怒り」で応えてしまっては、あなたも相手と同類とみなされる。
鹿島さんいわく、無礼な人に対しては、どんなことを言われても「聞き流す」ことだ。もし反論の必要があるなら、あくまでも冷静に。第三者から見れば、どちらに信頼がおけるかは一目瞭然だ。そして、「君子危うきに近寄らず」で、無礼な人とはなるべく距離をとろう。「相手の気を悪くするかもしれない」とためらう必要はない。平気で無礼なことをする人は、他人のことをあまり気にかけていないもの。だから、あなたが距離をとっていることにも気づかないのだ。
鹿島さんが挙げる礼儀正しい人の特徴は、「いつも落ち着いている」そして「余裕がある」。あなたの周りの、礼儀正しくて周りから好かれている人を思い浮かべてほしい。いつも冷静で、穏やかではないだろうか?
自分の感情をコントロールできていて、いつも穏やかで周りに安心感を与える、礼儀正しい人。そんな人になるためのポイントが、本書では55項目紹介されている。「相手のメンツをつぶさない『断り方』」や、「人との距離を縮める『六つの心得』」など、実践的な内容も豊富だ。
礼儀正しい人が、人に好かれないわけがない。だから100%としてもよさそうだが、「人間関係において、すべての人に好かれる必要はありませんし、気を使いすぎて萎縮したり、自分らしさを失ってはいけません」。そんな意味を込めて、鹿島さんは「99%」と題したそう。カチコチにこり固まった礼儀ではなく、自分らしさを失わない、ほがらかな礼儀正しさ。そんなところまで含めて、本書で解説される「礼儀正しい人」は周りを笑顔にするのだろう。
■鹿島しのぶ(かしま・しのぶ)さんプロフィール
白百合女子大学文学部英語英文学科卒業後、会社員を経てプロの司会者として活動を開始。(株)総合会話術仟言流の代表を務め、ブライダルプランナーの役割も兼ね備えたプロ司会者の育成にも力を注いでいる。また、2017年まで駿台トラベル&ホテル専門学校ブライダル学科長を務め、ブライダル関連、接遇会話、ビジネスマナーの授業を担当した。著書に『「また会いたい」と思われる人』『「品がいい」と言われる人』(三笠書房)、『敬語「そのまま使える」ハンドブック』『大人の表現「そのまま使える」ハンドブック』(以上、三笠書房《知的生きかた文庫》)などがある。
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