そつなく、無難に、大人らしく。そんなコミュニケーションをとっていないだろうか? そつのない会話は、トラブルを生まないという点ではたしかに良いだろう。しかし、あなたは知らず知らずのうちに損をしているかもしれない。
以下の場面を想像してみよう。取引先のAさんとBさんがあなたのために力を尽くしてくれて、あなたが「ありがとうございます」とお礼を伝えた。すると、以下の返答があった。
Aさん「当然のことをしたまでです」
Bさん「○○さんに少しでもほめていただきたくて」
大人の対応をしているのはAさんだろう。そつなく謙遜していて、悪い気持ちはしない。Bさんは社会人としては少し子どもっぽい印象を受けるかもしれない。しかし、Aさんと比べて、Bさんの返答には「キュン......」としたのではないだろうか。
Bさんの返答に「キュン」とするのは、感情を建前で隠さず、素直に伝えているから。このように、マナーや建前を取り払って素直に言ったほうが、かわいがられることがある。そんな、周りにかわいがられる「かわいい言い方」を紹介しているのが本書、『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』(サンクチュアリ出版)だ。コミュニケーション術の講演をはじめ、幅広い事業を手がけている山崎拓巳さんが教えてくれる。
本書に掲載されている「かわいい」言い換えを、一部ご紹介しよう。
(大人の言い方)
お目にかかれてよかったです。
↓
(かわいい言い方)
もっと早く知り合いたかったです。
山崎さんいわく、初対面でうまくいく三カ条は「笑顔」「リスペクト」そして「大好き!」。「面白い方なんですね」「もっと早く知り合いたかったです」「もうめっちゃ好きです」と好意をどんどん口にすると、必然的に相手もあなたに好意を抱きやすくなる。
(大人の言い方)
私は○○関係の仕事をしています。
↓
(かわいい言い方)
私は○○関係の仕事をしているのですが、
どんなお仕事をなさっていますか?
ほとんどの人は自分のことにしか興味がない。だから、普通に自分のことだけを話す自己紹介では、あまり興味をもってもらえない。そこで、「相手のことを聞きながら、自分のことをこっそり忍ばせる」のがおすすめ。質問された相手は自分のことばかり話した感覚になるが、まるでサブリミナル効果のように、頭にはあなたの情報が残るのだ。
言い方のひと工夫で、あなたも「かわいく」なれるはず。人間関係、せっかくなら好かれていたいし、かわいがられていたい。たくさんの人に好かれれば、交流が広がって、世界が広がる。「かわいい言い方」、ぜひ試してみてほしい。
■山崎拓巳(やまざき・たくみ)さんプロフィール
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。事業家。ビジネスコーチ。「コミュニケーション」「モチベーションアップ」「お金の教養」などをテーマにしたセミナーや勉強会を全国各地で開催し、高い人気を誇っている。
経営者としてニューヨークにラーメン店「タクメン」を出店したり、アーティストとして国内外に絵画、Tシャツ、バッグを出展するなど多方面で活躍中。
主な著作に『やる気のスイッチ!』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(サンクチュアリ出版)、『さりげなく人を動かす スゴイ!話し方』(かんき出版)などがある。
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