「親が子どもの不登校を、『何とかしたい』という気持ち、応援したいです」――。
フリースクール校長・小林高子さんの著書『不登校、頼ってみるのもいいものだ』(クロスメディア・パブリッシング 発行、インプレス 発売)は、「出口の見えない不登校の迷路」から抜け出すヒントをくれる1冊。
2万人以上の不登校家族を見てきた著者が、子どもの"イヤとの戦い"に疲れたお母さん、お父さんに「もっと頼ってみてもいいんですよ」とアドバイスを送る。
本書は『不登校になったら最初に読む本 親と先生と子どものための再出発へのヒント』(2015年)に続く第2弾。
現在、不登校は低年齢化しているという。小学生の不登校が急増し、小中学生合わせて19万6000人(2020年度文部科学省調査)。
若者の引きこもりは54万人。原因の1位が不登校。これは不登校が引きこもりになりやすいこと、不登校が継続したままの状態の人が多いことを物語っている。
下図のように、不登校は二層構造になっているという。Aは「学校に行かない・行けない、不登校の本当の原因」。Bは「親の言うことを聞かない。親子の葛藤」。解決の方向はB→A。Aに進むためには、親子関係が主体のBでの対応が重要になる。
もし子どもが親の提案にのってくるなら、親を味方と思っているし、親の出す助け舟にのってこないなら、親子関係がこわれている可能性も。「小さなひび割れ」が「大きな断絶」になり、子どもが親だけでなく社会にも心を閉ざしてしまう前に......。
「一日も早く、親子が敵ではなく親子は助け合うものだと、子どもも親も理解し、親子関係を立て直すことに目を向けてほしいとの思いを強くします。(中略)この本で最も伝えたいことは、子どもと会話が成立するような関係をつくるのは、子どもではなく親の方からの働きかけが必要であること」
本書は「なおすとこわすの違い」「こじらせない母親の共通点」「用心するべき言葉」「お父さんの出番がくるとき」「思いつきの近道は遠まわりになる」など、30年近く不登校支援をしてきた著者ならではのヒントがたくさん。
実際に悩みから抜け出した、または悩みから抜け出していく途中にいる父母のアンケートや子どもの生の声も収録。
■目次
第1章 不登校"迷路"のこたえ 不登校を知る わが子を知る
第2章 お母さんレッスン 不登校に悩むお母さんの心を軽くしたい
第3章 お父さんレッスン 不登校に悩むお父さんが家族のためにできること
第4章 子どもを助ける親になる 今日から始めてもらいたい行動のヒント
■ママ&パパVOICE
親子間の距離を置いてみて
親こそ学んで、自己を見つめ直す
信頼できる第三者は親子の道を開く
重たい世界から、今は軽やかな世界へ
■子どもVOICE
質問攻めはやめて。親の本音が聞きたい
親の心配そうな顔を見て、罪悪感を感じた
「やればできる」と言わないで!
親のため息......
僕ではなくて、母が「家を出ていく!」と聞いたとき
子どもが不登校になったときの心境について父母にアンケートをとったところ、「まさか自分の子どもが」「自分たちがなんとかしなければ」「どうしたらいいか、わからなかった」との声が大半だったという。不登校は思った以上に身近なようだ。「まさか」「どうしよう」となったとき、ぜひ頼りにしたい1冊。
「不登校の"イヤとの戦い"に疲れたあなたに、一人の力での限界を知って、誰かを頼ることで、出口の見えない暗いトンネルから抜ける道のヒントを見つけていっていただきたいです。『あのときは苦しかったね。だけれど、頼った人が良かった。出会いのおかげで、今日があるよ』と、後になって、親子が屈託なく笑える日のために、この本が、誰かの助けになれますように」
■小林高子さんプロフィール
フリースクール元気学園校長。工学博士(脳の神経伝達物質の研究)。同学園では、不登校の子どもたちを元気にする際、体調不良に着目し、からだと脳の機能を高める独自のカリキュラムで治療教育をしている(イメージは、病院と学校と家庭が合わさったようなところ)。中高生をメインに、小学生から受け入れている。寮があることで、日本全国だけでなく海外からも生徒たちが集まっている。また、不登校を解決した家族と今悩んでいる家族の相談・交流会「不登校を助ける会(横浜・岐阜)」、働けるようになるためのトレーニング施設「自活館」、体調不良の女の子とお母さんのためのクリニック「草薙駅前レディースクリニック」など、不登校の解決をサポートする包括的な取り組みを続けている。
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