タスクや予定の先延ばしグセ、テレワークでダラダラ、朝起きられない...。「できない自分」に嫌気がさしながらも、なかなか改善できない。こうした悩みは精神論ではなく、「生理的な仕組み」に着目すると、解決できるかもしれない。作業療法士で、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修などを行っている菅原洋平さんが監修を務めている。
2021年11月2日『「できない自分」を脳から変える行動大全』(扶桑社)が発売された。
・朝、通勤中にネットニュースをくまなくチェック
・出勤したら最初にメールチェックをして返信する
・ToDoリストをパソコンやデスクに貼り出している
・スケジュール管理やメモはスマホなどでペーパーレス化
・何か購入するときは売れ筋や人気のランキングを参考にする
・お菓子は大袋から直接食べる
・日記は一日を振り返りながら、夜に書く
・眠くなくても早めにベッドに入って本やスマホを見ている
・休日は寝だめして、平日に備えている
このような習慣は、脳や自律神経を混乱させて、毎日の生産性を下げる要因になる可能性があるという。本書では、こうした行動がなぜパフォーマンスを低下させ、あなたを「できない自分」と思い込ませているのか、生体リズムや脳の仕組みを活用した改善方法とともに、その理由を解説している。
本書では、27のシチュエーションに合わせて、100項目の解決策や対応策を提示している。ここでは、一部を紹介しよう。
■やるべきことを先延ばしにしてしまうお詫びのメールなど、やりたくないことはついつい先延ばしにしてしまう。解決策としては、やりたくないことはルーティンの間にやる方法がある。
具体的な行動は以下の通り。
・朝起きたら洗面や歯磨きの前に仕事をする
・帰宅したら持ち帰りの仕事を机の上に出してからバッグを置く
・帰宅後の入浴が面倒くさいときは、お風呂のスイッチを入れてからくつろぐ
脳が新しい行動を選ぶときに体が『高代謝状態』を作り身構えてしまうのを軽減するという。
■すぐに気が散って集中できない集中できなくて姿勢が崩れている時は両足の裏を地面につけると良い。
他にも、下記の行動が有効だ。
・厚めのひざかけをかける
・作業中は脚を組まない
・30分に1回姿勢を正す
菅原さんによると、体の中心部の筋肉の活動が低下すると脳の覚醒度が低下するのだという。次のような簡単な動作も有効だ。
1.両足の裏を地面につける■テレワークだとついダラダラしてしまう
2.両肩を耳につけるように肩をすくめ、その肩を後ろに引いてストンッと落とす (そこが本来の肩の位置)
3.肛門を締めて、肩をおしりに向けて引き下げ5秒キープ
※1?3を3回繰り返す
自宅で仕事をしていると、ついついダラダラしてしまう方も、実は多いだろう。罪悪感を抱えながらも、「もう少しだけ...」と仕事に戻れない。
このような時は、決めた場所以外で仕事をしないようにすると良い。
さらに、下記の行動も有効だ。
・作業に取り組むときは時間や服装、使う道具を決める
・体の向きや見える景色をいつもと同じにする
・朝起きていきなり机に向かい、「その場所で仕事した」という既成事実をつくる
生活の中でうまくいかないできごとについては、実は自分がサボっているわけではなく、脳に合った行動をできていないだけかもしれない。
「最初から集中するのは簡単ではありません。その場合は、朝起きたら何の準備もせずに座って、デスクで 少しだけ作業してみてください。このように、『デスクで仕事した』と脳に記憶させると、次にデスクに座ったときも集中できるようになります」
と菅原さんは言う。自分を責める前に行動を少しだけ変えてみると、大きな変化があるかもしれない。
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学を卒業後、作業療法士の免許を取得。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に行うベスリクリニック(東京都千代田区)で、薬に頼らない睡眠外来を担当するかたわら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。2020年からはすべての活動をオンラインで行い、リモートワークにおける生産性向上の研修にも取り組んでおり、その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、12万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』(文響社)など多数
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