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その家族は、人を食べて生きている 「うちは貧乏で...ホントに貧乏で...」 

ひとくい家族 1

 その家族は、人を食べて生きている。

 福満しげゆきさんの漫画『ひとくい家族』(双葉社)の単行本第1巻が6月17日、発売された。同作は、人肉を食べる家族と暮らす女子中学生・凛子の日常を描いた作品。

写真は『ひとくい家族』(双葉社)
写真は『ひとくい家族』(双葉社)

 凛子とその家族は、人を食い物にして生きている。詐欺などをしているのではなく、物理的に人肉を食べて生きている。「うちは貧乏で......ホントに貧乏で......もう......人の肉を食べてました――」。

 第1話では、人間の手を揚げた料理がいきなり登場。「人間の手丸出しじゃん!」。凛子はツッコミをいれる。が、料理を担当した母親は困り顔を浮かべるばかり。「鳥の手羽先みたいなイメージで作ってみたんだけど...」。

画像は「ひとくい家族」より(提供:双葉社)
画像は「ひとくい家族」より(提供:双葉社)

 「もうこんな肉食べたくない!」。凛子が反発すると、それを見ていた父親に諭される。「人はな...生きていくために命をいただいているんだ」「感謝を込めて食べなさい」。もちろん凛子は再度反発。「いや...そういうジャンルの話じゃなくて!」。

 しかし母親に「いいから早く食べなさい」と言われると、結局は凛子もあまり抵抗感なく人肉を食べてしまう。カラッと揚がった人の手の手羽先風を食べ、「うまっうまいわー、悔しいけど...美味しい...」とご満悦の表情を浮かべる。しまいには「ご飯に合いそう」とか言い始める。

写真は「ひとくい家族」より(提供:双葉社)
写真は「ひとくい家族」より(提供:双葉社)

 「うちさー...いろいろおかしくない?」という発言はあるものの、なんとなく良い話風に第1話は締めくくられてしまう。この奇妙な日常の行く末はどうなるのか。単行本には、家族が人肉食いに目覚めたエピソードや、人肉食い同士の熱いバトルなども収録されている。

※画像提供:双葉社
BOOKウォッチ編集部

 
  • 書名 ひとくい家族 1
  • 監修・編集・著者名福満しげゆき 作
  • 出版社名双葉社
  • 出版年月日2021年6月17日
  • 定価900円(税込)
  • 判型・ページ数A5判・128ページ
  • ISBN9784575856071

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