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「一緒に天国も地獄も見ようね」 BRATSボーカル・黒宮れい、著書発売記念イベントで明かす心境

私が居なきゃ生きていけないって言ったんだから一生かけて証明してみせてよね

 オルタナティブロックバンド「BRATS」のボーカル・黒宮れいさんが、過去の葛藤や恋愛遍歴、音楽性、生き様などについて一切の隠し事なくリアルに綴った初の著書『私が居なきゃ生きていけないって言ったんだから一生かけて証明してみせてよね』(主婦の友社)を、1月29日にリリースした。発売を記念し、発売記念イベントが2月13日、東京・渋谷の「HMV&BOOKS SHIBUYA」で開催された。

 イベントでのやり取りの様子は、以下の通り。

Q、初の著書を出版された感想や、読者からの反響を教えてください。
書籍は初めてで、これまで言ってこなかったようなことも赤裸々に書いたので、賛否両論あるかなと思っていたんですけど、今のファンの人たちはそこも含めての「黒宮れい」って思ってくれていて。自分の中身をいろんな人たちに知ってもらえてよかったです。この本はファンの間では「聖書」って言われているんですけど、インスタで私をタグ付けして「聖書読みました!」「聖書を学校まで持ち歩いてます」「この本があるだけでちょっと強くなれた気がします!」と言ってもらえることが多くて。みんなの悩みや苦しみがこの本で少しでもラクになれればいいなって思っています。
写真は、『私が居なきゃ生きていけないって言ったんだから一生かけて証明してみせてよね』(提供:主婦の友社)
写真は、『私が居なきゃ生きていけないって言ったんだから一生かけて証明してみせてよね』(提供:主婦の友社)

Q、出版の経緯は
出版社の方から声をかけてもらいました。自分はTwitterで過激なツイートをして炎上することもあるんですが、それでもツイートをやめることはなくて。だから私の言葉を活字にしたいと、声をかけてもらって嬉しかったですね。
Q、本作りで苦労しことはありますか?
(キッパリと)苦労したことはないです!むしろ、これまで自分のことを振り返る機会ってそれほどなく、本作りの過程で過去を掘り下げることができて、昔と今の気持ちは違うかもしれないけれど、(それがわかって)成長したなって、思いました。
Q、この本をどんな方に読んでもらいたいですか?
昔のファンの方もそうですし、今のバンド活動を応援してくれる人はもちろんなんですけど、まだ全然自分のことを知らない人にも読んでもらいたい。自分が10代の子の気持ちを全部代弁できているとは思わないですけど、こういう生き方とか考え方があるんだなって参考にしてもらえたら。30代や40代の人にも年齢関係なく読んでもらいたいですね。
写真は、こちらを見つめる黒宮れいさん(提供:主婦の友社)
写真は、こちらを見つめる黒宮れいさん(提供:主婦の友社)

Q、Twitterも本もそうですが、黒宮さんが思いを言葉にしていく上で、大事にしていることはありますか?
BRATSでは作詞をメインにやっていますが、ハッピーな曲はひとつもないんです。世の中にそういう曲ってあふれているし、(ハッピーな曲が)聞く人に勇気や元気を与えられるんだってこともわかってはいるんですけど、自分たちは、苦しみとか汚い言葉でさえ、意味をもたせたいなと思っていて。つらいとか苦しいとかのほうが誰しも記憶に残る。だからそういう思いをきちんとえぐり出しながら、いい感じに歌詞としてまとめることで、みんなに共感してもらいたいって思ってます。
Q、本の中で、赤裸々にご自身のことを書かれていますが、不安に思うことはありませんでしたか?
Twitterは過激なことを書いていますけど、ツイートはフォロワーだけでなく、リツイートされることでいろいろな人が見るので、すぐにツイートするってことはしないで、短い言葉でもみんながわかりやすいのはどんな言葉だったらよいかを考えてからするようにしているんです。本はそこのところをもっと丁寧に書いたというか。ツイートしたことをさらに読み解いてもらうために本を読むという使い方があっているのかもしれません。ツイートの言葉はこんな意図です、こんな思いです、というのを解説しているので、本はアンチの人にも見てもらいたいですね。私という人間がわかりますよ。
Q、本にはグラビア写真も収録されていますが、衣装などこだわりを教えてください。
グラビアはサイコロをテーマにしていて。喜怒哀楽というか。本にも、「人間なんて所詮サイコロ」と書いたように、人はいろいろな面があるってことをグラビアでは表現しています。表紙に写っている白いワンピースのような格好はふだんしないので、恥ずかしかったですね。でも、みんな可愛い可愛いって言ってくれたんで、よかったかなと。
Q、では、そこが見所ですか?
見所ではないですね(笑)。恥ずかしかったけど、見てくれたらなーというくらいです。
写真は、横たわる黒宮れいさん(提供:主婦の友社)
写真は、横たわる黒宮れいさん(提供:主婦の友社)

Q、昨年からつづくコロナ禍にあって、開催された無観客ライブについて本でも触れられていました。音楽面において心境の変化などありましたか?またこの1年をどのように過ごされていましたか。
この1年はとにかくやりづらかったですね。仕事もしにくいし、ライブもできなかった。ライブハウスは密になりやすいので規制の対象になります。自分は鬱憤を晴らすため、苦しみを晴らすために曲を書いたりライブをやっているのに、(ライブができず)リフレッシュというか発散できないのがつらかった。もう苦しいという感情もなくなってしまって、本当に「無」という感じになっちゃってましたね。
Q、曲づくりにも影響が?
自分は苦しみなんかをメインに書いているのに、なんの出来事もないから何も書けない。この1年は自分にとって、人との距離がわかりづらくなってしまったような気がします。
写真は、バスタブに座る黒宮れいさん(提供:主婦の友社)
写真は、バスタブに座る黒宮れいさん(提供:主婦の友社)

Q、そんな中、久しぶりのイベントですが、イベントを前にしたお気持ちは?
めっちゃ楽しみです!だからこそ、(来てくれた人と対面するにも)距離をあけなきゃいけないことがマジでくやしいです。これまでのイベントだとファンの女の子から「チューして」とか「抱っこして」「ハグして」とか言われてたのに、触れ合えないことが寂しい。物理的な距離によって心の距離もあいちゃうんじゃないかって、それがくやしいんです。
Q、そうですよね、まだまだ以前のようにはいかない日々が続くと思いますが、そんな中、今後どのような活動を予定されていますか?またはこんなことがしたい!という展望はありますか?
3月に配信ライブの予定があります。それと今後の目標としては年内にまた、去年の今頃にLAでライブをやったように、海外でライブができたらと思ってます!!
Q、最後にファンや読者の方にメッセージを一言。
いつも応援してくれてありがとうございます。これからもいろいろな活動をしていくので一緒に天国も地獄も見ようね。
写真は、著書を持った黒宮れいさん(提供:主婦の友社)
写真は、著書を持った黒宮れいさん(提供:主婦の友社)


黒宮れいさんのプロフィール
オルタナティブロックバンド・BRATS(ブラッツ)のボーカル。悩める現代女子の気持ちを代弁する過激なツイートをたびたび発信しており、SNSを中心に熱狂的な支持を集める。


『私が居なきゃ生きていけないって言ったんだから一生かけて証明してみせてよね』目次

第一章 メンヘラなのはご愛嬌じゃん
第二章 一生を捧げたい男に出会うの難しすぎない?てゆうか人生難しすぎ
第三章 好かれたいとか、嫌われたくないとか考えなきゃいけない相手のこと本当に信頼できる?
第四章 自分の生き方を否定されるような場所で生き続けたくない
第五章 音楽がなかったら死んでた
第六章 何年たっても自分のために歌いたい

 赤裸々な言葉で綴られた、音楽だけではない著者の魅力が詰まった1冊になっている。きっと、現代に生きにくさを感じる人にとってのナビゲーションになるはずだ。

※画像提供:主婦の友社
BOOKウォッチ編集部

 
  • 書名 私が居なきゃ生きていけないって言ったんだから一生かけて証明してみせてよね
  • 監修・編集・著者名黒宮れい 著
  • 出版社名主婦の友社
  • 出版年月日2021年1月29日
  • 定価本体1,200円+税
  • 判型・ページ数四六判・129ページ
  • ISBN9784074464869

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