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「明日を生きるお金がなく、頼れる大人もいない」今こどもたちに必要なことは/『こども六法』

 さまざまジャンルの専門家をゲストに迎え、社会課題や未来予測などをテーマにイノベーションのヒントを探る文化放送の番組、「浜松町Innovation Culture Cafe」(通称:浜カフェ、毎週土曜日18:00~18:57放送)では、番組のエンディング付近でBOOKウォッチ編集部がおすすめする本を紹介している。

 前回2020年5月23日は「今こどもたちに必要なことは」をテーマに放送し、編集部からのおすすめの本は、『こども六法』(山崎聡一郎 著、弘文堂)をピックアップ。法律書という専門書でありながら、全国の書店の目立つ位置で平積みされたヒット作だ。

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写真は、『こども六法』(山崎聡一郎 著、弘文堂)

 番組では、女優のサヘル・ローズさんとヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんが登場。「児童養護施設の実状」の話から「わたしたちが出来ること」についてトークが繰り広げられた。

里親が少ない理由

サヘル 今、日本では家庭の貧困や性的虐待などさまざまな理由で施設に入っている子どもたちが国内で約5万人いる中で、里親に出会える数は数%しかいないのです。

入山  里親に出会えるのが低い理由はなんですか。

サヘル まず、里親というものが難しいと思っている人が多いことと、里親になるための条件の厳しさにあると思います。収入など条件も多く、厳しい審査に通らない人や途中で諦めてしまう人も多くいます。
 ほかには、まだ施設のことについて知らない人が多くいます。
 まずは一人でも多くの人に施設のことを知ってもらうために、あらゆることを発信する活動をしています。

子どもたちに起こっていること

土井 ヒューマン・ライツ・ウォッチの活動としては、戦争においての人々の保護や女性、子ども、障害者、LGBTなどマイノリティの差別や人権侵害などの問題解決について取り組んでいます。  子どもたちについて言うと、世界から見ると日本は里親や養子縁組が少なく、子供の家庭を持つ権利が軽視されていると捉えられています。

入山 なるほど。子どもたちに関しては今どういった悩みが届いていますか。

土井 コロナの影響で学校が閉まっており、公立と私立や地域によって、授業を受けられる環境が異なり、教育格差が生まれているという悩みです。また、学校給食も止まってしまい、貧困家庭の子どもたちには栄養を取ることが難しくなるなど、さまざまな問題が出ています。
 現在増えている虐待や育児放棄なども、学校が無いことで気付かれにくいという問題もあります。

私たち個人でもできること

サヘル 今は、施設を卒園した子どもたちと連絡を取るようにしています。
 一人暮らしやシェアハウスで生活していたりなど、様ざまですが、共通して言えることが「明日を生きるためのお金がなく、頼れる大人もいない」という状況だということです。
 あなたはひとりじゃないよ、と互いに確認しあうことが大切だと思います。

入山 今、自分たちができることは、近隣の人に目を配るということですね。

土井 サヘルさんと同じ意見です。コロナは性別や国も関係なく広がっています。つまり、自分が安全であるためには他人も安全でないといけないということがわかってきました。
 人を思いやる社会になることが大切だと思います。また、家にいることが多いと思うので、里親になるにはどうするかをネットで調べてもらえたら嬉しいです。


 この放送は、radikoのタイムフリーで聴くことができます。本日の放送の前までは、先週23日の放送内容がお聴きいただけます。


 次回の放送は、本日、5月30日(土)18時から「身体づくりからみえてくるもの」というテーマでお送りします。
 BOOKウォッチ編集部からもおすすすめ書籍をご紹介しますので、詳しい内容が気になる方は、文化放送のエアチェックを!


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