夏休みシーズン、海外に行く方に参考になりそうな本がある。お笑いコンビ「千原兄弟」の千原せいじ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)さんの『プロに訊いたら驚いた! ニッポンどうなん?』(ヨシモトボックス)だ。
千原せいじさんが海外を回る中で感じた日本のさまざまな制度や事柄について、専門家に話を聞いて綴った内容。日本と海外の感覚の違いもリアルに紹介されている。
たとえば、南アフリカでスタッフがカバンを盗まれるエピソードでは、スタッフがカバンを隣の床に置いていたら、いつのまにかバックが別のバックにすり替わっていたという。
そのときスタッフは「荷物を間違えられた」と言ったそうだが、それを見ていた別の客が「あなたのカバンは、さっき別のカップルがすり替えていった」と教えてくれる。そこで、スタッフが言う「見ていたなら止めてほしい」と。それに対して見ていた客が言う「それはクレイジーだ。そんなに殺されたいのか」。
このエピソードには2つのポイントがある。ひとつは、「ひったくりではなく、気づきにくいすり替え」。ふたつめは、「銃を持っている。簡単に撃ち殺される」というシチュエーションが気軽に存在すること。
千原さんに聞いたところ、この話にはその前のエピソードもあるそうで、
「僕は、事前に、このスタッフさんに、海外に行くときは似たものが多い黒いカバンはやめたほうがいい。ド派手なカバンがいい。」と言っていたそうだ。ただ、スタッフさんは東京でも使いたいと思って黒カバンを買ったのだという。
「今日、銀行のキャッシュディスペンサーに行ってきたんです。ATMがたくさん並んでいました、でも、高齢の警備員さんが一人いただけだった。と感覚の違いを語っていた。
よく言えば、日本は安全な国。その一方で、海外では状況が違うのも事実。
日本人は感覚の切り替えが苦手。(危機などへの)対応力が低い」
本書では、このほかにも、海外で食事をした時に感じたことなども触れられている。
千原さんはいう。
「生きるため、栄養を取るためにエサを食べている鳥を最近食べていないと思ったんです。おのれが生きるためにエサを食べている生き物」海外に行った時、ふだんは養殖などの食肉用に育てられた生き物しか食べていないことや、化学物質を食べていることに気付いたという。生き物をいただく。そこにも日本との差を感じたそうだ。
このほかに、日本の税金が実は高くないことや、半身浴は日本人には向かないとか、薬は白人種のレギュレーションで作られているなど、各分野の専門家に、千原さんが"がさつ"に、率直に質問して得た幅広い知識がおさめられている。
取材の終わりに、千原さんが言った一言は次の通り。
「いろんな考え方があるので、この本の内容は"そういう意見もあるなぁ"程度に読んでいただくのがいいです」物事を決めつけないという千原さんらしいコメントだった。
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