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最強クラブ・バルセロナが今日登場! スアレスが自伝で明かした“初めてバルサの練習に加わった日”

 現在、日本で開催されているFIFAクラブワールドカップ。開催国代表として登場したサンフレッチェ広島はオセアニア王者のオークランド・シティ、アフリカ王者のTPマゼンベを完封。「自分たちのサッカー」を貫き、圧巻の勝利をおさめた。そして16日には南米王者のCAリーベル・プレートと対戦。かつてFCバルセロナで活躍したサビオラや、1月にスペインの強豪アトレティコ・マドリーへの移籍が決定しているクラネビッテル、若手有望株のゴンサロ・マルティネスなどを擁するリーベルに立ち向かったが、惜しくも敗北してしまった。

 そして日が変わって17日にはヨーロッパ王者のFCバルセロナが登場し、アジア代表の広州恒大と対戦する。この試合の勝者が20日の決勝でリーベル・プレートと戦うことになるが、大方はFCバルセロナ有利と見ている。
 世界各地にファンを持つバルセロナの強さは、サッカーファンならずとも知るところだろう。全員が世界トップクラスの選手たち。その中でも特に注目を集めているのが「MSN」、リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)、ルイス・スアレス(ウルグアイ代表)、ネイマール(ブラジル代表)の3人である。

 2014年にバルセロナに加入したスアレスは、2014-2015シーズンにリーグで16得点。メッシやネイマールといった圧倒的ストライカーがいる中でも強烈な存在感を見せつけ、さらに、MSNトリオの連携も日を追うごとに深まっていった。
 今年3月に日本で出版されたスアレスの自伝『理由』(中山忍/訳、ソル・メディア刊)には、そんなスアレスが初めてバルセロナの練習に加わった日が回想されている。

 スアレスにとって「練習初日」はやはり緊張をするものだったようだ。誰に挨拶する? どう挨拶すればいい? それまでも不慣れな環境で気後れしまうことがあったため、バルセロナ加入時は「過去最高の緊張感」を覚悟していたそうだ。
 しかし、彼はすんなりと輪に入ることができた。チームメイトたちの気遣いは最高で、派手さとは無縁。プロ意識に溢れていた。ルイス・エンリケ監督は若く、ジョークを飛ばして談笑する仲間でもあり、そして厳しくチームを仕切る監督だったと振り返る。
 特にいろいろ教えてくれた選手の一人として、スアレスはアンドレス・イニエスタの名前を挙げている。また、メッシやハビエル・マスチェラーノはマテ茶好きの仲間になったし、ダニ・アウベスは「これでチーム唯一の『問題児』と言われなくて済むから、(スアレスの)移籍を歓迎する」と言って笑わせてくれたという。
 こうした、バルセロナの選手たちの細かい気配りによって、スアレスはチームに溶け込んだのだ。

 「問題児」――バルセロナ移籍前に開催されたFIFAワールドカップブラジル大会。そのグループリーグ第3戦イタリア戦で、スアレスは相手DFのジョルジョ・キエッリーニに噛みついてしまう。
 スアレスが相手選手に噛みついてしまったのは、このときで3回目。FIFAがくだした処分は厳しく、ウルグアイ代表として9試合出場停止、サッカーそのものの活動を4ヶ月停止というものだった。その間、スタジアムにさえも入場ができないのだ。一刻も早く代表から離れることになったスアレスは、失意の時間を過ごす。
 では、スアレスはなぜ「噛みつき」をしてしまったのか? この『理由』には、スアレスのストライカーとしての責任感から出てくる繊細な感情がつづられている。

 自伝の大部分は、リバプール時代のエピソードで占められている。世界最高峰のストライカーがどのように成長を遂げてきたのか、問題行動に対してどのように考えているのかなどが、スアレス自身の言葉で語られている貴重な一冊だ。
 ついにFCバルセロナが私たちの前に姿を現す。スアレスはどのようなプレーを見せてくれるのだろうか。いよいよその時は近づいてきている。
(新刊JP編集部)

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『理由』(ソル・メディア刊)

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