「明日までに読まないといけない資料があるのに、全然頭に入らない」
「本が苦手で、読んでいると眠くなってしまう」
などなど、そもそも活字を読むのが苦手だったり、読解力に自信がなかったりと、文章を読むのがどうも好きになれない人は、実は結構多いかもしれません。それに、読むことが得意な人でもコンディションの問題で「調子が出ない」こともありますよね。
でも、読んだ文章が頭に入らないからといって落ち込むことはありません。
「文章を理解すること」は一種の技術ですから、トレーニングで解消できる問題なのです。
『速読日本一が教える 1日10分速読トレーニング』(角田和将/著、日本能率協会マネジメントセンター/刊)は、文章を読むのが苦手な人でも、素早く正確に内容を把握するためのポイントを教えてくれます。
■「頭の中で音読」はNG
学校の国語の授業で教科書を音読するからか、ほとんどの人は大人になってもそのクセが抜けず、文字列を一文字ずつなぞって、頭の中で音読するように読む「なぞり読み」をしてしまいます。
楽しみとして小説を読むのであれば、この読み方で問題ありません。しかし、たとえば仕事で資料を読む場合、ある程度の「スピード」が求められるはず。それだと、この読み方では間に合わないのです。
■「文章を塊で理解する」とはどういうことか
では、すばやく的確に文章を理解するためのポイントは何なのでしょうか。本書では「文字を塊で視て理解する読み方」を勧めています。
これは、文章を一文字ずつ追うのではなく、「7~11文字単位」で視界に入れて読み進める読み方。たとえば、レストランのメニュー表を読む時などは、料理の名前を一文字ずつ読まずに「ハンバーグ」「カレーライス」といった“塊”として理解するはずです。
これと同じように、文章も何文字かのひとかたまりを、「画像」として捉えるように意識するだけで、読むスピードは約2倍になるといいます。
■視野の幅を広げる
「文字を塊で視て理解する読み方」がわかってきたら、さらに視野を広げてみましょう。
本を開いて、ある1行全体を視てみると、視野の中心付近は「何が書いてあるかきちんとわかる」状態ですが、視野の端の方にいくほど「何が書かれているかわからないけど、文字が書かれていることはわかる」とあいまいになってくるはずです。
この時の「何が書かれているかわからないけど、文字が書かれていることはわかる」部分を「受動視野」というのですが、日頃からこの「受動視野」を広げるように意識して文章を読むことで、「素早く文章の内容をつかむ力」が鍛えられます。この「受動視野」は左右だけでなく上下(前の行と次の行)にもあります。まずは直前の行と直後の行をふくめた3行が「受動視野」になるようにトレーニングしてみましょう。
活字が苦手だという人でも、本書で明かされているポイントとトレーニングを続けていけば、どんどん短い時間で大量の文章を理解できるようになっていくはず。もちろん、今読むのが速い人が、さらなる速読を目指すためにも役立ちます。
溢れ返る情報をいかに処理するか、というのは現代人が必ず直面する課題です。
その意味でも、本書で紹介されているスキルは、時間の節約や仕事の効率化にも直結する重要なものなのです。
(新刊JP編集部)
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