安倍晋三総理大臣による経済政策「アベノミクス」の中で、円安が進んでおり、輸出産業にも経営改善の兆しが見えてきていると言われています。
そんな中で活気づいているのが、インターネットを使った個人による「輸出」ビジネス。特に最近注目を浴びているのが米アマゾンを利用した「輸出」ビジネスです。今回はその「Amazon輸出」について、『「Amazon輸出」入門』(日本実業出版社/刊)著者であり、ネットビジネス歴12年以上の山村敦さんにお話をうかがいました。今回は後編をお届けします。
(新刊JP編集部)
■海外相手の個人ネットビジネスで円安・円高に左右されないためには?
―米アマゾンで売れる日本の商品にはどのようなものがありますか?
「単純に分かりやすいものだと、J-POPのCDやアニメのDVD、あとはフィギュアといったポップカルチャー寄りのものが売りやすいと思います。そうしたもの以外では、少しハードルが高くなりますが、時計、カメラ、電化製品ですね。ブランドメーカーの美顔器はとても反応が良かったです。なぜ、ハードルが高くなるかというと、アマゾンが高額な商品を許認可制にしているからです」
―今、アベノミクス効果で円安が進んでいます。輸出する立場からしてみれば、非常に有利になりつつあるのではないかと思いますが、そういったところで注意すべきことはありますか?
「一つアドバイスをすると、輸出ビジネスと輸入ビジネス両方をできると良いと思います。為替は動くものですが、それに合わせて右往左往するのはあまり良くないと思いますので、時代に左右されないやり方を見つけるのがベストです」
―また、商品の発送方法についてお聞きしたいのですが、自分で商品を仕入れて海外に出荷するとなると、普通の郵送方法では出来ないと思います。山村さんはどのようにして商品を発送しているのですか?
「海外への発送方法については主に三つありまして、一つは日本郵便さんのEMS(国際スピード郵便)。あとはフェデックスさん、DHLさんですね。これが三大海外配送です。基本は空輸で、船はよほどじゃない限りは使わないです」
―山村さんがネットビジネスを始めたきっかけについて教えていただけますか?
「もともと体育大学に通っていまして、教師を目指していたんです。ところが、東京都の採用試験に落ちてしまって、大学卒業後は派遣会社に所属しながら教員試験を受けていたんです。ところが、その派遣先というのがNECで、エンジニアたちがいる最先端の現場だったので、パソコンの操作方法などのスキルがどんどん上がっていって、それがネットビジネスに入っていく大きなきっかけとなりました」
―最初にやったネットビジネスについて覚えていますか?
「確か、不用品をヤフーオークション(現在の「ヤフオク!」)で売ったと思います。何を売ったかははっきりと覚えてないのですが、中古のカメラや楽器だった気がしますね」
―私もヤフオク!は利用したことがありますが、出品者と落札者のコミュニケーションがかなり発生するなあという印象でした。でも、このアマゾン輸出ではほとんどそうしたコミュニケーションが発生しないそうですね。
「そうです。だから、他のサービスと比べたら、かなり楽だと思いますよ」
―アマゾン輸出に挑戦しようと考えている方々に向けてアドバイスをお願いします。
「輸入と輸出、どちらがやりやすいかというと、確実に輸出だと思います。パソコンもインターネット環境も揃っていますし、自動翻訳サービスもかなり性能が高くなっています。経済的にも海外の方が、市場が広がってきているので、今が参入時ではないかと思います」
―では、この『「Amazon輸出」入門』をどんな方に読んで欲しいとお考えですか?
「アマゾン輸出は月5万円程度なら稼ぐのが比較的簡単なんです。だから、副業として何かしたい人や、ちょっと将来に不安がある30、40代の方々に読んで欲しいですね」
―このインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いします。
「アマゾン輸出ブームにもようやく火が付きはじめました。私自身は2年ほどやってきましたが、最近参入者が殺到しはじめて、情報もツールもたくさん出てきています。
アマゾン自体、将来的には東南アジアやインド、ブラジルなどにも進出していくはずですので、アマゾン輸出はここ1、2年のブームではなくて、長いスパンのブームになっていくのではないかと思います。だから、今こそが参入のチャンスだと思いますよ」
(了)
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