主人公は15歳の男子高校生、山田龍一朗。父親は交通事故で他界。働く母と幼稚園に通う三つ子の妹たちのごはんを作り、家事をこなすのが龍一朗の仕事。
『食堂かたつむり』以来食と人生を絡めて描くことにたけた小川糸氏が選考委員をつとめた「第1回おいしい文学賞」受賞作だ。
料理が得意な男子は昨今珍しくないが、龍一朗の場合はこの年で家族の胃袋を支えている。もともと料理好きではあったが、学校に通い、好きな女子もいながら、家のことに振り回される日々に悩みがなくはない。
恋はかなわず、進路にも迷う。それを見守るのが山田家の面々や周囲の人物。たとえば自由で個性的な三つ子たちは、口はとことん生意気だが、兄を信頼し、兄の料理を愛する。
「おいしい」の本質に気付いていく少年の成長に胸が熱くなる、後味最高の青春小説。とにかく元気になりたい人に勧めたい1冊だ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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