「デカルトからベイトソンへ　世界の再魔術化」　モリス・バーマン著、柴田元幸訳

近代科学の成立によって、世界から魔術が失われた。大きなパラダイムチェンジを経て登場したのは、資本主義と科学思考によってできあがった単色の近代。合理的な思考、単一な価値観に収斂（しゅうれん）してゆく社会の到来だ。

しかし、超資本主義に巻き込まれ、お金と数字で換算されるようになった現在、あらゆる方面で行き詰まりが見られる。それはもしかしたら近代がもたらしたひとつの病ではないか？

今こそ、近代以前の世界がもっていた大切な何かを取り戻すために、「世界の再魔術化」が必要だ。もっとカラフルでパワフルな、新しい物語を生きるために。

歴史的なパラダイムの変容を、科学哲学の変遷をたどりながら鮮やかに描き出した名著が、柴田元幸氏の名訳とともに30年ぶりに蘇る。落合陽一氏もバイブルと仰ぐ現代の必読書をぜひ。次の時代を開くヒントに満ちている。