『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)は原作・漫画版合計200万部を超えるというベストセラー、心に残る名作として話題になっている。しかし、虚心に読むと問題点だらけ、とても手放しで礼賛できない、というのが著者の考えだ。
たとえば「いじめ」の問題。作品では、主人公の友達が勇気を出して「いじめ」に立ち向かい、事態を収束させたように描かれている。ところがこれは、いじめた人間が懲らしめられただけで、解決になっていない。そもそも、力によって物事を解決しようとする姿勢が『君たち~』には各所にみられ、それはとても生き方のお手本にはならないという。
また、「見て見ぬふりをした」ということだけで、「みんなとの約束」と「個人の意志」の葛藤が、個人の良心の問題に解消されたりするような、議論の「すり替え」も多い。みんなが「良い」というものを、じっくり考えてみようという問題提起の書。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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