「やってはいけない老後対策」大村大次郎著

発売即重版となった本書は、定年が視野に入った中高齢者たちから注目を浴びている。平均的年収（500万円程度）でもらえる年金額は月額15万円程度。手取りとなると12万円くらいで、税や医療費などが無料になる生活保護受給者より待遇が悪いのだ。夫婦そろって22万円程度の年金がモデルとされているが、これでも普通の生活を送るには厳しい。

ただでさえ厳しいのに、離別や死別で「おひとりさま」になると一気に「老後破綻」の四文字が現実味を帯びてくる。つまり、公的年金だけであてにしていては危険なのだ。

事実、生活保護受給者の過半数は65歳以上の高齢者世帯で、うち9割は単身者だ。では、どうすればいいのか。あらゆる手段を講じて、節税をし、「自分年金」を増やしていくことが重要だ。このほかにも起業した際に注意すべきことなど示唆に富む例がてんこ盛り。中高年だけでなく、若い世代にも読んでほしい。