「縁側ネコ一家　ありのまま　―　ハハケルとマイケルとミカンたち」渡部久著

「縁側ネコ」とは、食や住の面である程度、人間に依存しつつ、人と共生関係にある半野生のネコのこと。山梨県のある里山の縁側ネコ一家は縁側や庭、畑を住みかとし、ボスの母ネコとその子供たち10匹ほどで暮らしている。

強い縄張り意識をもつ縁側ネコたちは、夜は畑の農作物を食べてしまうシカやイノシシ、サルなど野生動物たちの侵入を防ぐために厳戒パトロール。昼間となれば人の温かい目に守られながら縁側で熟睡する。

チョウやネズミを追いかけまわす春、子猫が生まれるとともに、成長したオスの子供が一家を去る夏、野生動物から作物を守る秋、雪の中でも警戒を怠らない冬...強敵タヌキとの戦いでボロボロの体になりながらも縄張りを死守する、ワイルドで愛らしい縁側ネコ一家の1年を、150点超の写真を交えて紹介していく。