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「超能力微生物」小泉武夫著

  古来より日本人は麹(酒)、みそ、しょうゆなど、微生物を利用した食品を大切にしてきた。発酵によってアミノ酸など「うまみ成分」が増し、保存期間も長くなる。また、健康維持には「腸内細菌」が欠かせない。まさに人類は、微生物に支えられて生きてきたのである。
 それだけではない。人類が考えもつかない"超能力"をもつ微生物が、まだまだ無数に存在する、100℃以上の熱湯中に生きる菌、硫酸なみの強酸や強力放射能を浴びても死なない菌、動物性脂肪を植物性油脂に変換する菌、汚染物質や有毒化学物質を分解してしまう酵母、新たな抗生物質や特効薬を作り出す可能性を秘めたカビ...自然界に人知れず存在するこうした微生物を見つけ出して利用すれば、エコロジカルかつ合理的ではないか。
 仰天の「微生物グルメ」の逸話も満載! 味覚を刺激されつつサイエンスのミステリーにせまる好著だ。 



書名:超能力微生物
著者:小泉武夫
発行:文春新書
定価:800円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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