本を知る。本で知る。

「PIMP」アイスバーグ・スリム著

  過酷で猥雑(わいざつ)だった、米シカゴの黒人ストリートの売春業を描いた傑作だ。日本では2001年に刊行されたあと、長らく絶版となっていたが、近年のラップブームで古書価が高騰しているため、復刊の運びとなった。
 「PIMP(ピンプ)」とは売春仲介を生業とする男、つまり「ポン引き」のこと。著者のアイスバーグ
・スリム(1992年没)は若くして、この稼業で天下をとった。
 女性をあの手この手で支配し奴隷のように働かせるテクニック、冷酷非道な暴力、現代のAV業界や風俗業、さらにはブラック企業の原型ともいえる人心掌握術が余すところなく記述されており、そのあたりがリアルな暗黒世界を描いたと評価されるゆえんだ。
 黒人のリズム感あふれる語り口を生かした名訳は浅尾敦則氏。巻末に売春婦と警察がやりあっていた新宿で育ったラッパー、漢a.k.a.GAMIのインタビューを収録している。 

書名:PIMP著者:アイスバーグ・スリム発行:DU BOOKS定価:2000円+税

オンライン書店

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?