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「あきれた紳士の国イギリス――ロンドンで専業主夫をやってみた」加藤雅之著

  イギリスといえば枕詞(まくらことば)のように冠せられる「紳士の国」という言葉。はたしてそれは真実なのか? 本書は、通信社記者が妻のロンドン転勤にともなって会社を辞め、家事と小学生の娘の世話に専念した約5年にわたるイギリス体験記。
 それまでの生活から一変、異郷の地で娘を学校に送り迎えする日々。シャイで親しくなるのが意外と難しいイギリス人父母との付き合いやその教育事情、さらには買い物や料理といった"新米主夫"生活で直面した「紳士の国」の素顔を紹介している。
 車に乗ればクラクションを鳴らしまくり、狭い道も猛スピードで通り抜ける。それなのに時間に遅れても気にしない。警察官も守らない歩行者信号。食事は燃料にすぎず、成年男子はビールが主食...イギリスの見方が間違いなく変わる好エッセー。著者が大好物という焼き魚に始まり、179種類にわたる5年間の夕食メニュー一覧は奮闘の記録だ。 

書名:あきれた紳士の国イギリス――ロンドンで専業主夫をやってみた著者:加藤雅之発行:平凡社新書定価:800円+税

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