『「大人の引きこもり」を救え！』廣岡政幸著

 　今、日本で静かに進行している社会問題に「大人の引きこもり」ということがある。従来、不登校の子供たちのなかにも「引きこもり」はいたが、その子供たちが高齢化し長期化しているのだ。引きこもり者は推定で50万人以上ともいわれる大きな数だ。
　この「引きこもり」。親は子供の将来に大きな不安を抱え、引きこもってしまった子供は、長期化すればするほど、社会復帰の道が閉ざされるという悪循環に陥ってしまう。
　本書は、引きこもっている人を社会復帰させるための支援を行う、フリースクールの若き校長による情熱あふれる活動記録だ。本書でも複数の実例を紹介しつつ、引きこもりの原因や社会構造を分析し、解決方法も提案する。
　自らが障害を抱え、非行の経験もある著者。さまざまな問題を抱えて引きこもってしまった人を、1人でも更生させたいと尽力する校長の熱意がほとばしる社会派ノンフィクションの1冊。