「ウニはすごい　バッタもすごい」本川達雄著

 　本川達雄氏といえば中公新書『ゾウの時間　ネズミの時間』で刊行から25年、いまや75刷のロング＆ベストセラーの著者だ。＜本川生物学＞の集大成として書き上げたのが本書、副題は「デザインの生物学」。
　生き物の姿かたちは千差万別。たとえばホヤ。赤ちょうちんの常連客と侮るなかれ、ホヤはわれわれ人類と同じ脊索動物なのです。ところが、ホヤの姿はどうみても「急須」（本書232ページの図を見よ）...こんな姿に誰がした？　ホヤにせよ、ウニにせよ、バッタにせよ、彼らの姿かたちは厳しい自然を生き抜くための武器そのもの。本書は5つのグループの生き物をとことん解剖し、その神秘に迫る。
　「ずいぶん回り道をしましたが、やっと自分の専門分野の新書を書けました。ほっとしています」とは本川センセイの言葉（ホームページより）。
　「サンゴのタンゴ」、「ナマコ天国」など「歌う生物学者」の面目躍如の7曲も、楽譜つきで掲載している。