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「カラー版 音楽で楽しむ名画」加藤浩子著

  歴史上つねに並走してきた絵画と音楽の関係を、豊富な図版とともに解き明かす。楽器演奏者や作曲家はしばしば絵に描かれるが、ベートーベンのかの有名な肖像画はなぜ描かれたのか、本書はその謎にも迫る。
 共通のテーマを絵画と音楽が扱うこともあった。19世紀パリの売春婦たちは好んで取り上げられ、絵画ではマネの「オランピア」やルノワールの「船遊びの昼食」、音楽ではヴェルディの「椿姫」といった名作を生んだ。
 パウル・クレーは音楽家になろうか迷ったほどのバイオリンの腕前だったそう。そしてこの本の影の主人公は、作曲家マーラーの妻だったアルマだろう。クリムト、ココシュカなど多くの芸術家に愛された「魔性の女」。画家カンディンスキー が振り向いてくれないと見るや、彼の友人で作曲家のシェーンベルクとの仲を引き裂いた。優れた芸術の影には、いつも魔性の女がいるものなのかもしれない。

書名:カラー版 音楽で楽しむ名画著者:加藤浩子発行:平凡社新書定価:980円+税

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