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「春画を旅する」山本ゆかり著

  性の営みを描く「春画」―敬遠する方も、興味津々という方もいるだろう。浮世絵のはじまりに春画があり、歌麿、北斎、英泉、国芳、雪鼎といった当代一流の絵師たちが力の限りを尽くし作品を手がけてきた。その奥には実に文化的で豊穣(ほうじょう)な世界が広がる。本書はこうした歴史をひもとき、人間味あふれる魅惑的な春画の旅へと誘う。
 春画にあると信じられていた摩訶(まか)不思議な力、色道修業の旅に出る豆男「まねへもん」の物語、江戸時代の典型的な男前について、口吸いの文化史、季節感を取り入れた人々の暮らしなど、基礎知識もしっかりとおさえつつ、さまざまな見どころをカラー図版とともにやさしく深く読み解いていく。その線描の美、色彩の鮮やかさ、ユーモア、大胆な構図、何とも言えない表情に陶然とする。今秋、国内初となる大規模な春画展も開催、本物を目にできる貴重なこの機会に、ぜひご一読を。

書名:春画を旅する
著者:山本ゆかり
発行:柏書房
定価:1800円+税

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