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「道路の日本史」 武部 健一著

  著者は、草創期の道路公団に入り、高速道路を建設した技術者である。本書には著者ならではの経験が多数ちりばめられている。
 日本初の高速道路である名神高速建設時には、ドイツから来た「お雇い外国人」ドルシュから、「ルートを設計するときは、硬い鉛筆と定規ではなく、柔らかい鉛筆とフリーハンドで」という指導を受ける。日本の高速道路のカーブはこのとき生まれたのである。また、高速道路があちこちで古代遺跡とぶつかることに疑問を抱く。奈良時代の官道は、遠隔地をまっすぐに結ぶため、現代の高速道路と似たようなルートをとっていたのだ。著者は全国の官道を踏破、全容を明らかにする。
 ほかにも、加賀藩が黒部川に架けた長大橋、奥羽山脈を貫く明治初期のトンネルなど、邪馬台国から現代まで、道路をめぐる人の技術の驚きのエピソードが描かれる。

書名:道路の日本史
著者:武部 健一
発行:中公新書
定価:860円+税

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