2019年上半期テレビ番組出演本数ランキング女性部門で1位を獲得(ニホンモニター調べ)したのは誰か。なんと、フリーアナウンサーの新井恵理那さんだという。朝の番組で見るアナウンサーとは思っていたが、どうやら大勢いる女性アナウンサーの中で群を抜く存在のようだ。
新井恵理那さんは、1989年アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれ。青山学院大学卒業。大学2年生の時、ミス青山コンテストグランプリに選ばれる。大学在学中にセント・フォースに所属。現在は「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)、「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)などの報道・情報番組のほか、バラエティ番組、ラジオ番組などのレギュラー番組に多数出演している。資格は弓道二段、スキューバダイビング、ジュニア野菜ソムリエ。趣味はトレッキング、音楽ライブ鑑賞、フットサル、イラスト、ジュエリー制作など。
プロフィールを見ると、出演番組、資格、趣味のどれも多彩で、新井さんが多くの引き出しを持つ方だとわかる。タイトルに「八方美人」とあるが、新井さんは意外にも対人関係における「八方美人」ではなく、「物事に対しては、完全に八方美人」だと自身を分析している。
「アナウンサーとしては八方美人のほうがいいのかもしれません。でも私自身はどうしてもそうなりきれない。むしろ自分の意見を出したい、きちんと出すことを心がけているので、ときには人とぶつかることもあります」
「ひとつのことに集中できず、かといってなにをやっても特別な才能はない」自分が、チャレンジをしているうちに、気がつけばフリーアナウンサーとしての居場所を見つけた。
「自分がなにをやりたいのかわからない。自分がどうなりたいのかわからない。それでも歩いていれば、きっとどこかにたどり着きます。どこかにたどり着いて、また気になることができたら、また歩けばいい」
女子アナに対して、誇り高く華々しいイメージを持っていたが、本書を読み浮かび上がってくるのは、飾らない言葉で半生を綴る等身大の新井さんだった。画面に映る姿は、ほんの一面でしかないのだと思った。
本書は、新井さんの生い立ちから現在まで、画面からはまったく想像のつかない意外な素顔が次々と明かされる。
1 卒業アルバムの黒歴史
2 なにがなんでも弓道をしたい
3 父の教え、母の教え
4 ひょんなことから「ミス青山」
5 すべては挫折から始まった
6 もう花束は見たくない
7 雨にルビ振る
8 誰といても自然体で
9 最終チェッカーとしてのこだわり
10 テレビをもっと面白く
11 テレビを生き抜く先輩方の言葉
12 ストレスの壁と戦う
13 とらわれない幸せ
14 いつかは家族を持って
アメリカで生まれたがバイリンガルではない。高校は必ず弓道の強豪校に行くと決めたが、推薦試験でまさかの不合格。その後、死ぬ気で頑張り一般試験で合格。大学時代、サークル費を稼ぐため、カフェ、和食店、寿司屋、手芸店、かまぼこ売り、試験監督のアルバイトを経験。大学2年の夏、迷った末にミスコンに出場。局アナ試験の最終面接で不合格となり、トイレで号泣。フリーアナウンサーとして、固定給ゼロからスタート。オーディションと降板を繰り返した修行の5年......。
評者は読んでいて、新井さんの経験してきた迷い、決断、挫折、努力が、自身の過去とつながるところがあった。本書は客観的に読む成功者のエッセイというより、29歳の女性の等身大の姿に共感しながら読めるエッセイだ。
撮りおろし23ページも収録。ファンはもちろん、新井さんをあまり知らなかった人が読んでも、新井さんの「八方美人」な生き方に好感を持つだろう。
次の3枚の写真は、撮りおろし写真の中からのショット。
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