Oriijin[オリイジン]Spring 2019
「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉を知っていますか? 日本語では「多様性の包含・受容」と訳すようだが、あらゆる人々と共生することだとイメージすればいいだろう。
そんなコンセプトを掲げた雑誌『Oriijin[オリイジン]』(ダイヤモンド社)の第3号となる2019年春版が発行された(ダイヤモンドセレクト5月号)。2020年の東京パラリンピックを前に、外国人・障がい者・LGBTとともに生き、ともに働くことをめざしたコンテンツが満載だ。
特集1「"ダイバーシティ"が日本を変える! 」では、"ダイバーシティ"をめぐる、これまでの流れと現状、外国人・障がい者・LGBT...ダイバーシティの現在について、立教大学社会学部教授の吉澤夏子さんら識者と当事者のインタビューで紹介している。
レインボーアイドル「秘密のオト女」として活動中のゴリなさんは、昨年(2018年)で気になった出来事として自民党・杉田水脈議員の「生産性」発言を挙げる。「ムカついたとか、悲しかったとかいうよりも、単純に驚きました」と語っている。また医学的ケアを必要とする性同一性障害なら、保険適用があったらいい、と訴える。そして「相手への思いやりを持ちながら、いい意味で周りをどうでもよく思えたら、人間同士が優しく生きていけるのかなって思います」と呼びかける。
さまざまな分野でダイバーシティにかかわる人たちをよく「発掘」したな、と感心した。ゲイやトランスジェンダーの人たちがおおぜい実名・写真付きでインタビューに答えているのに清々しさを感じた。
特集2は「TOKYO2020パラリンピックがやってくる」。パラリンピックの歴史から、東京2020パラリンピックの 全22競技ガイドや、世界が注目するパラリンピックのスーパーアスリートを紹介している。
LGBTの基礎知識や企業や自治体のダイバーシティへの対応などもまとめられているので、担当者の参考になりそうだ。2017年、2018年に続いての発行。こういうテーマの雑誌が商業ベースで発行され、継続していることを評価したい。今号もアマゾンの人文・歴史・思想系雑誌の売上ベスト40位になっているから、時代も変わったものだと思う。
本欄でもトランスジェンダー・モカさんの『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(光文社)を紹介したばかりだ。
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