昨年(2018年)末、宝島社より『小説版 まんがでわかる7つの習慣』が刊行された。「7つの習慣」と聞いて、数年前、書店のビジネス書コーナーで「7つの習慣」関連の書籍が棚を埋め尽くしていたのを思い出した。本書の紹介に入る前に、そもそも「7つの習慣」とは...
「7つの習慣」とは、真の成功と豊かな人生を実現するために身に付けるべき習慣を体系化した実践的人生哲学。スキルやテクニックで秀でる「個性主義」ではなく、人格自体を磨き上げることを重要視する「人格主義」の思想が特徴。
提唱者のスティーブン・R・コヴィーは、世界でもっとも影響力のあるビジネス思想家の一人で、リーダーシップ論の権威。ユタ大学、ハーバード大学経営大学院などで学び、教職を経て「7つの習慣」をはじめとするリーダーシップ論を提唱。世界各国の政府や企業のリーダーに対し、広くコンサルタントとして活躍した。邦訳の著書には『7つの習慣』『第8の習慣』(キングベアー出版)など。ユタ州立大学商経学部終身教授。2012年、79歳で永眠。
『7つの習慣』は、全世界で3000万部、国内で210万部を突破した大ベストセラー。2013年に宝島社より刊行された『まんがでわかる7つの習慣』も、シリーズ累計180万部超えを記録した。そこでこの度、同じく宝島社より刊行された本書『小説版 まんがでわかる7つの習慣』とは、どんな位置付けなのか。
宝島社によると、数多くのビジネス書の中でも『7つの習慣』は文体が硬く、女性にとって読みにくいものだった。そこで、女性編集者の視点で『7つの習慣』の要点をストーリーに織り込み、わかりやすく簡潔に解説した『まんがでわかる7つの習慣』シリーズは、働く女性、自分磨きや自己啓発を目的とした主婦や若い女性にも広まり、読者の5割以上が女性だという。
一方で、まんがに抵抗を感じる声もあったため、より多くの読者が手にとりやすいよう「まんが化した『7つの習慣』の小説版」である本書が企画された。売れているビジネス書をコミック化することはあっても、売れているビジネスコミックを小説化するのは異例という。
とある家族――高校二年生の美帆、小学六年生の航輝、父・清孝、母・友香子――の4人の視点で物語は進行していく。美帆は付き合い始めたばかりの彼との距離のとり方に、航輝は教師とクラスメイトからの誤解に、父は職場の後輩の態度に、友香子は不登校気味の航輝をはじめ家族との向き合い方に悩んでいた。4人はそれぞれバーテンダーの歩と出会う機会があり、歩は以下の『7つの習慣』に沿って彼らの抱えている問題を解決へと導いていく。
第1の習慣 主体的である
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
第3の習慣 最優先事項を優先する
第4の習慣 WinWinを考える
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
第6の習慣 シナジーを創り出す
第7の習慣 刃を研ぐ
家族4人が置かれた状況は、よくありそうな設定で共感できる。例えば自分が主婦であれば、友香子に自身を重ね合わせて読める。物語の部分だけでも読み物として楽しめるが、物語を細かく区切り、その後に解説と図を載せているため、物語に出てきたこの言葉はこういう意味だったのかと、よりわかりやすい構成になっている。大きめのフォント、時々入る登場人物のイラスト、中だるみすることのない展開でサクサク読める。「7つの習慣」のポイントを効率的につかみたい方、効率的に学び直したい方に最適。
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